前田幸長氏が力説する「巨人補強大成功」の根拠

2017年01月19日 11時00分

FA権を行使し、巨人入りした山口俊(左)と森福允彦

 Gの懸案事項は一気に解決へと向かうのか。巨人が久々の大型補強を推し進め、今オフのストーブリーグで主役に躍り出ている。その中で本紙評論家の前田幸長氏が注目しているのは、リリーフ陣の再生だ。ソフトバンクからFA権を行使し、巨人入りを果たした森福允彦投手(30)の加入によって盤石とは言い切れなかったブルペンに大きな活力を呼び戻せると分析した。

【前田幸長の直球勝負】率直に言って巨人は、いい補強をしたと思う。なかでもソフトバンクからFA宣言した左腕・森福の獲得に成功したからだ。常勝軍団のホークスで長きにわたってブルペンの中核を担い、昨季も50試合に登板して防御率2・00。持ち合わせる高い技術と豊富な経験はともに申し分ないが、何より彼のストロングポイントはマウンド度胸の強さである。

 ふてぶてしく、物おじしない。その表現がまさにピッタリ。実際にこれまでグラウンドで森福と話をしている中で、とにかく精神的にタフな男なんだなと感心させられることが多々あった。もっと、もっと投げたい。あれだけのピンチの場面で何度も起用されながら、そういうシンプルかつハングリーな気持ちをずっと持ち続けていた。

 ホークスではワンポイントで起用されるケースが大半を占めていたが、彼はこうした立ち位置に明らかに物足りなさも感じていた。気持ちを高ぶらせてガーッと突っ走っていくタイプで、しかも相手打者が右も左も関係なく苦にせず対峙できる。そういう自負があるからこそ1/3イニングだけのマウンドでは消化不良に陥ってしまうところがあったようだ。

 その鬱憤も巨人移籍で解消。順調に行けば森福は今季から勝利の方程式に組み込まれ、新セットアッパーとして終盤の1イニング以上を任される。この人一倍に気持ちの強いタフネス左腕がブルペンに加われば、やや脆弱気味だったGのリリーバーたちにいい意味で大きな“化学反応”が起きると見ている。昨季は勤続疲労で不本意な結果となった山口鉄には「自分がダメだから森福が入ってきたのか」という危機感が生まれ、さらなる奮起につながる。

 それから守護神を務めた澤村だ。昨季の彼がセーブ王に輝きながらも安定感を欠く投球内容が多かったことは周知の事実。新しい助っ人・カミネロの獲得にも成功したが、キャンプ、オープン戦で実際に見てみないと分からない。個人的には今季のストッパーはマシソンに任せたほうがいいと思う。ただ、配置がどうあれ澤村が経験豊富な森福から得るものは心技体すべての面で多くある。「投げてみなければ分からない」といった自身の課題を澤村は安定感抜群の森福を模範とすることによって解決につなげるかもしれない。

 最後に余談ではあるが…。森福は現役時代の私と似ている。左腕のリリーバーでFA宣言から巨人に入ったところも同じだ。アドバイスするならば「巨人というチームは143試合だけじゃなく、私生活も見られているから常に緊張感を持て」ということ。まあ、度胸満点の彼ならばそれも難なくクリアできると確信している。(本紙評論家)