【殿堂入り】星野仙一氏の「闘将秘話」 野球界に危機感も

2017年01月18日 11時00分

ゲストスピーチを行った杉下氏(右)とガッチリ握手をかわす星野氏

 野球殿堂博物館は16日、今年の殿堂入りのメンバーを発表し、競技者表彰のプレーヤー表彰で西武黄金時代の捕手として活躍したロッテの伊東勤監督(54)、エキスパート表彰で監督として3球団でリーグ優勝を果たした星野仙一氏(69)、大洋(現DeNA)のエースとして活躍した平松政次氏(69)が選ばれた。アマ球界などが対象の特別表彰では、春夏の甲子園大会などで長く審判員を務めた故郷司裕氏、公認野球規則の編さんに尽力した故鈴木美嶺氏が選ばれた。

 楽天球団副会長である星野氏は現役時代に投手として146勝、監督としては史上10位の1181勝。中日監督時代に2度のリーグ優勝(1988、99年)、2003年には阪神でリーグ優勝、13年には楽天を初のリーグ優勝、日本一に導いた。その実績からすれば遅すぎるくらいの殿堂入りだ。

 星野氏は「何かの間違いが起きたかな」と謙遜しながら「あと1週間(22日)で70歳になる。これだけ野球に関わらせてもらって本当に感謝しなければいけない。監督として運が良くて、選手に恵まれた。選手のおかげ」と話した。ゲストスピーチを行った杉下茂氏に「中日時代は打倒・巨人に燃えて他には目もくれない。与那嶺監督の時にリーグ優勝してビールかけの席上で『日本シリーズは邪魔っけなんだ』『俺は巨人に勝った。これでいいんだ』と凝り固まっていました。中日、阪神時代に日本一になれなかったのはそういう考え方が根底にあったのでは」と昔話をされると苦笑い。

 そんななか、野球界の将来への危機感も口にした。競技人口の減少などを念頭に置き「これからは我がチームのことだけじゃなく野球界全体のことを考えていかないといけない。野球界が一つになることをこれからも後押ししていきたい。それしかない。我々もアマチュアの卒業生ですから、いかに底辺を広げていくか。底辺を広げていかないと野球はいずれ破滅してしまう。野球界がもっと一つになっていかないといけない。そういうことに我々、卒業生が携わっていかないといけない」と訴えた。

 監督としては「闘将」が代名詞だった星野氏だが「俺だって考えてるんだよ。データとか見て…。ただ、そういうイメージを作ってくれたことはありがたいことだった」とポツリ。監督として腐心した部分は「思いやりかな。その時だけじゃなく、その選手へのできる限りの思いやり。ユニホームを脱いだ後の人生の方が長いんだから、そのための教育が大事」と結んだ。