日本ハムから巨人にFA移籍した陽岱鋼外野手(29)が12日、初めて自主トレを公開した。昨年8月に骨折した右肋骨も順調に回復し、精力的に汗を流した。V奪回の使者がいよいよ本格始動したが、今後はプレーだけでなく“オシャレ番長”ぶりにも注目が集まりそうだ。

 陽岱鋼が初めて訪れたジャイアンツ球場には多くの報道陣やテレビクルーが詰めかけ、スタンドには早くも応援ボードを掲げるファンの姿もあった。そんな中、陽岱鋼はグラウンドで新人合同自主トレ中だった同じ台湾出身のドラ7右腕・廖任磊投手(リャオ・レンレイ=23)と握手。ランニングやストレッチを終えると、室内練習場に場所を移して古巣で同僚だった北篤外野手(28)らのノックに飛び入り参加し、打撃マシンを相手に約30分間、バットを振り込んだ。昨夏に負った肋骨骨折は快方に向かっているようだ。

 新天地の施設で初練習を終えた陽岱鋼は「こんなにマスコミがいるのは初めてで緊張したし、うれしい。違う球団に来て焦りもあるけど、マイペースにやっていきたい」と笑みをこぼしながら、今季の目標に掲げる自身初の「打率3割」に向けて「坂本選手とか亀井さんに聞いたり、見たりして吸収したい」と意気込んだ。コンディション万全となれば、現実味を帯びるWBC台湾代表入りについては「球団やトレーナーと話し合って決めたい」と語るにとどめた。

 チームのリーグ優勝、日本一奪回へ大きな期待を背負う陽岱鋼だが、グラウンド外でも話題をさらいそうだ。この日の屋外練習では上下とも真っ赤なウインドブレーカーに赤色の縁のサングラス。室内での練習前にはいったんロッカールームに引き揚げ、全身を白を基調としたウエアにわざわざ“お色直し”するこだわりぶり。そして最後はハリウッドスターばりのド派手な金縁のサングラスをかけ、さっそうと球場を後にした。

 陽岱鋼と再会した北によると「日本ハムの時から派手好きで、オシャレ番長だった」そうで、初対面した廖は「雰囲気が違いますね。打てる、走れる、守れる。しかもかっこいい。全部揃ってる」と羨望のまなざし。巨人では伝統球団の十字架から選手たちのコーディネートは控えめだが、陽岱鋼のファッションは巨人に新風を吹き込みそうだ。

 本人にとっても選手間でのオシャレトークが早くチームに溶け込む武器にもなる。いずれにせよ、陽岱鋼の今後から目が離せない。