人的補償で平良DeNA流出…巨人の痛手

2017年01月06日 16時30分

神妙な面持ちで会見に臨んだ平良

 巨人にFA移籍した山口俊投手(29)の人的補償として、平良拳太郎投手(21)のDeNA移籍が決定し、両球団から5日、発表された。高卒4年目で大きな転機を迎えた右腕は、新天地での活躍を宣言。巨人での一軍登板はわずか1試合に終わったが、その潜在能力は折り紙つきだけに、球団にとっては痛すぎる“流出劇”となった。

 

 DeNAへの移籍が決まった平良は球団開きとなったこの日、東京・大手町の巨人事務所を訪れて職員らにあいさつ。その後「去年、初めて(一軍で)登板して今年やってやろうという気持ちは強かったが、野球をできることに変わりはない。横浜に行っても今まで経験したことを生かして恩返ししたい」と心境を語った。

 

 平良は昨季、4月7日の阪神戦(東京ドーム)で一軍デビュー。4回途中4失点で敗戦投手となったが、サイドからの思い切りのいい投げっぷりに、由伸監督が「良かった点が多かった。本当に期待できる投球」と語るなど、将来を嘱望。一軍昇格前の平良を見た阿部は「内海より先に(一軍に)上がるかもね」とポテンシャルの高さに目を見張ったほどだった。

 

 また、球団も大きな期待を寄せていた。入団直後から左腕の田口、大砲候補の岡本らと並ぶ“特別強化選手”に指定。右ヒジ痛が癒えた今オフは、プエルトリコのウインターリーグへも派遣した。ファーム首脳陣からも「投げる方では平良、打では岡本。この2人はきっちりと育てないといけない」と真っ先に名前が挙がっていた。昨季は同じ高卒3年目の田口がチームトップの10勝(10敗)を挙げてブレークしたが、今年は平良の番では…と見られていた。それだけに、移籍には多くの首脳陣がショックを隠せない。

 

「実績組を選ぶかとも思ったけれど、DeNAは最高の選択をしたね。即効性はないかもしれないが、若手層が薄いウチにとっては数少ない手塩にかけて育ててきた選手だから戦力的にも、精神的にもダメージが大きい」(巨人関係者)。かつてはFA入団した大竹寛の人的補償で広島へ移籍した一岡が1年目にブレークしたが「平良は即先発で使えるし、山口(俊)の穴を埋める働きをしても不思議じゃない。一岡以上のブレークを果たす可能性はある」との声も上がっている。

 

 ただ、仮に平良が巨人に残っても、大補強を敢行した今季は一軍枠に入れたかどうかは微妙なところ。だからこそ、球団も泣く泣くリストから外した。山口俊の獲得に乗り出した時点で流出は覚悟していたはずだが…。巨人は若手ホープを失ったダメージをしばらく引きずることになりそうだ。