日本ハム・大谷翔平投手(22)のメジャー移籍が母校・花巻東主導で動き始めた。大谷は22日、岩手・花巻にある花巻東高校の創立60周年記念式典に出席。母校の名声を高める顕著な活躍が認められ、西武・菊池雄星投手(25=欠席)とともに特別表彰を受けた。

 いまやメジャーが色めき立つ日本プロ野球界の至宝となった郷土の英雄の凱旋に在校生は騒然。今後の目標を「世界一」とした上で「まず来年、WBCがあるので頑張っていきたい。それと今後自分が世界一の選手になっていきたい」と宣言すると、詰め掛けた保護者らからも大きな拍手が湧き起こった。

 日本一後、初の里帰りとなった大谷は「(60周年の)3年間はお世話になっていますし、ここに帰ってきて僕自身うれしかった。高校時代は寮に入ってたので(高校は)家みたいな感じ。3年間ずっとこの敷地内で生活してましたから」と母校への郷愁をかみしめた。

 また、来オフにもメジャー移籍が実現する二刀流はこの日、同時に大手芸能プロダクション「ホリプロ」とマネジメント契約締結も発表されたが、これも花巻東関係者の間では既定路線だったようだ。

 一部関係者は「もともと先輩の(菊池)雄星が所属している事務所ですし、そうなると思っていました。そもそも雄星の時点でホリプロを選定したのは(花巻東の)佐々木洋監督ですし、今後も監督抜きに事は前に進んでいかない。事務所同様に問い合わせが殺到している代理人、契約するスポーツ用具メーカーの選定も全て監督経由になるでしょう」と明言。さらに「このオフの流れを見るとドラフトで大谷を強行指名した日本ハムが(メジャー行きの)主導権を学校(花巻東)に返したと解釈できるのではないでしょうか」と続けた。つまり、大谷のメジャー移籍のイニシアチブは所属の日本ハムではなく、花巻東が握ってくるという。

「非常識に物事を考えろ」「誰かの後に続くのではなく、誰もやったことのないことをする」という恩師・佐々木監督の教えはそのまま二刀流を高いレベルに引き上げている日本ハム・栗山監督の指導方針につながっている。「花巻から世界へ」を教育理念とする花巻東の動きからも今後は目が離せない。