ソフトバンクから巨人へFA移籍した森福允彦投手(30)に難問が待ち構えている。定刻30分前集合の“ジャイアンツタイム”だ。左腕は「それが一番不安ですね。集合の2時間前に行きますよ」と苦笑いを浮かべている。

 リリーフとしての実力、実績が十分なのは誰もが認めるところだ。ただ、古巣からも心配の声が上がっていたのが過去の“遅刻歴”だった。ソフトバンクの球団関係者は「巨人はそういうことにかなり厳しいと聞くからね。そこは森福も気をつけて頑張らないとね」とエールを送る。

 森福の遅刻は近年では減りつつあり、今季も終盤に1度だけだったというが「いつもギリギリで来るタイプ」(別の関係者)。巨人は定刻30分前集合がルールとされており、遅刻した若手が二軍降格を通達されたこともあったほどだ。

 森福も新天地へ移籍する以上、対策は練っている。付き人として「運転手を雇うつもりです」と話す。福岡ではヤフオクドームの近所に住んでいて、最速10分以内で駆け込むことができたというが、これが東京になれば移動の範囲は広くなるし、思わぬ渋滞が発生したりもするからだ。

 ソフトバンクでは遅刻しても決まって汚名返上の活躍を見せてきた。代表的な例は2011年の中日との日本シリーズだ。名古屋への移動便に乗り遅れる遅刻をしたが、第4戦で無死満塁を無失点に抑える「森福の11球」を演じてみせた。

 ただ、チームが変われば、そうもいかない可能性もある。厳しい巨人ならなおさらで、グラウンド外でも心機一転を目指している。