阪神は5日、大阪市内のホテルで新人8選手の入団発表を行った。注目のドラフト1位・大山悠輔内野手(21=白鴎大)は「金本監督のように強い体をつくって、長く野球ができるようになりたい」と所信表明。すでに春季キャンプでの一軍スタートも決定しており、期待は大きい。そんな大山に、元阪神選手でもある白鴎大・藤倉多祐総監督(59)がプロで生き抜くための金言を授けた。

 期待度が大きい背番号「3」のタテジマに袖を通した大山は「高山さんが新人王を取られたので、自分も続けるように新人王を目標にやっていきたい。(背番号3は)素晴らしい方がつけてきた番号なので、恥じない成績を残したい」と抱負を語った。新入団発表の司会者から「金本監督に似ていますね」と振られると、指揮官から耳打ちされ「自分のほうが勝っていると思います」と戸惑いながらも言い放ち、周囲を笑わせた。

 そんな初々しい一幕でプロ野球選手の第一歩を踏み出した大山に対して、自身の経験を基に2つの助言を送ったのが白鴎大・藤倉総監督だ。ヤクルト・飯原、楽天・岡島ら多くのプロ野球選手を輩出してきた藤倉総監督は、岡田彰布氏(元阪神監督)と同期入団で俊足巧打の内野手として鳴らした元猛虎戦士。阪神でやっていく厳しさを誰よりも知っている。

 まず声を大にしたのは“関西弁に慣れろ!”ということだ。「悠輔は関西が初めて。最初は言葉の違いなどのギャップに面食らうかもしれない。僕も関東から阪神に来たときはそうだった。早くそれを受け入れて環境に慣れることが大事。僕は昔、猛虎会に出席したことがあったが、思い切って阪神ファンが集まる店に行って話をするのもいい。言葉に慣れるためにテレビで吉本新喜劇を見たりもした。ボケとツッコミを学ぶためにそういう方法もやったほうがいい」

 続いて“コメント力を磨け!”。「(大山は)大学時代も『表情が硬いぞ! 楽にいけ!』ということが多いくらい真面目で性格が良い子。ただ、プロではそれだけではダメ。今日の金本監督も『今回は顔のいい順で選んだ』など面白いコメントをしていたが、ああいうカメラの前での対応も勉強しないといけない。学生時代は真面目だけでよかったが、プロはコメントすることも仕事の一つだ」

 すでに藤倉総監督は旧知の掛布二軍監督にも連絡済みで「たとえ(大山が)二軍になっても焦る必要はない。そのときは俺も力を貸すから」との心強い言葉をもらったという。大山が背負う「3」は藤倉総監督も現役時代につけていた愛着ある番号。くしくも教え子が引き継ぐのはうれしい限りだろう。大山もそんな恩師の金言を生かしたいところだ。