「2016 ユーキャン新語・流行語大賞」の表彰式が1日、東京都内のホテルで行われ、年間大賞に「神ってる」が選出された。広島・緒方孝市監督(47)から今シーズン中の神がかった活躍を評され、一躍“時の人”となった鈴木誠也外野手(22)は受賞決定に驚きの表情。ところが“本当の発信者”はすでに心変わりしているようで…。

 鈴木は6月17、18日のオリックス戦(マツダスタジアム)で2試合連続となるサヨナラ本塁打を放ち、プロ野球史上10人目の偉業を達成した。そのミラクルぶりを「神ってる」と激賞した“発言主”の緒方監督はチームのV旅行へ向かうため表彰式を欠席。指揮官に代わって表彰式に出席した鈴木は「信じられない気持ちです」と驚きを隠せなかった。

 鈴木は今季、初めて規定打席に到達して打率3割3分5厘、29本塁打、95打点をマーク。チーム25年ぶりとなるリーグVに大きく貢献し、球宴にも初出場するなどプロ4年目にして大きく飛躍した年となった。「広島もそうだけど、東京などに来て自分のことを気付いてもらえるようになった」と鈴木。「神ってる」が流行語となり、自らが少しずつ“全国区”になりつつあることを実感していたという。

「最後の最後でこういう大賞を受賞できて、うれしく思いますし、やっぱり“神ってる”なあと思います」

 一方、緒方監督は「まさかまさか選ばれるとは思っていなかった。電話で連絡が来て、すぐ家族に伝えたけど驚いているのか喜んでいるのか飛び上がっていた」と目を丸くした。発祥は長男がゲームなどをしている時に愛用していた言葉。それだけに「普通の家族の会話だからね」とやや戸惑いも…。その長男も今ではピコ太郎に夢中なようで「(大賞を逃した)PPAPのほうをよく言っているよ」とか…。

「チームがいい状態になっているときに、鈴木誠也の2試合連続サヨナラ本塁打でさらに勢いをつける勝ち方ができた。その勢いを維持できたから、皆さんが耳にして認識してくれたと思う」と指摘した指揮官は今回、受賞したことにチームとファンへ感謝の意を示した。

 チームはこの日夕方、広島空港からV旅行先のハワイに向け出発。244人乗りのチャーター機に、緒方監督をはじめ選手、コーチ、スタッフやその家族ら約170人が乗り込んだ。