巨人 菅野1億円増の裏にFA山口俊獲り

2016年11月29日 16時30分

大幅増に自然と笑みがこぼれる菅野

 巨人・菅野智之投手(27)が28日、東京都内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1億円増となる2億3000万円でサインした。5年目での2億円到達は高橋由伸、上原浩治に並ぶ球団最速記録だ。微増に泣いた昨オフから一転、一気のジャンプアップにはエースも「しっかり評価してもらった」と納得の笑み。実は今オフの交渉では、あのFA右腕の存在も追い風となっていた――。

 

 菅野は4年目の今季、26試合に登板して9勝6敗ながら防御率2・01、189奪三振で最優秀防御率と最多奪三振の2冠に輝き、ゴールデン・グラブ賞も獲得した。ペナントでは孤軍奮闘の働きだったが「2年連続で優勝できなかったことには責任を感じている」と振り返り「自分が引っ張っていけばチームの優勝に近付くのはわかっている。若手の手本にもなって、中心選手になっていかないといけない」と一層の成長を誓った。

 

 1億円増という球団の評価に対しては「しっかり上がりました」と満足感をにじませ「タイトルを取ったこと、三振数やクオリティースタート(先発で6回以上を自責点3以下)、防御率は若干上がりましたが、年々成績が上がっていることを評価してもらった」と語った。

 

 すでに4年連続の開幕投手にも内定しており、来年3月の第4回WBCでは、エース格として活躍が期待されている。今や球界を代表する投手となった菅野が受ける評価として、2億3000万円は低いとの声はあっても、高すぎるという者は皆無だろう。

 

 ただ右腕は、昨季も10勝11敗、防御率1・91という好成績を残したが、難交渉の末に2000万円増の1億3000万円でサインした。今季も数字上は劇的に成績を伸ばしたわけではなく、大幅増は右腕の言葉だけでは説明がつかない。球団幹部は「昨年の交渉で我慢してもらった面もある」としたが、裏には複雑なお家事情もあった。巨人は今オフ、DeNAからFA宣言した山口俊投手(29)の獲得に乗り出しているが、これが想定以上に難航していることも菅野との交渉に影響したという。別のフロントが事情を明かす。

 

「中日がまだ水面下で動いていて、山口の条件が予想外につり上がる可能性が出てきているんです。とはいえ投手としての実力は菅野が断然上ですし、本人も山口との条件があまりに開けば、納得できないでしょう。昨年の査定は“なかったこと”にして、今回はバランスを取ったというのが真相ですよ」

 

 チーム再建を図る上で菅野の存在は今後も絶対不可欠。球団としては、エースにヘソを曲げられることはどうしても避けたい。カネの問題はチーム全体の和にも影響するだけに慎重になるのは当然だが、もしも山口獲得に動いていなければ、菅野の笑顔は今年も見られなかった可能性もある。

 

 菅野は今季の「圧倒」に代わる「頂」という新テーマを掲げ「チームが頂点、リーグ優勝を取ることを含め、個人的には日本一の投手になる」と力強く宣言した。明るい表情を見る限り、今オフはスッキリと年を越すことができそうだ。(金額は推定)