巨人・菅野プロ入り後初の球種増やし…真の狙い

2016年11月29日 11時00分

新球マスターをテーマに掲げた菅野

 巨人・菅野智之投手(27)が27日、久々にジャイアンツ球場に姿を現し練習を行った。今季は防御率のタイトルを獲得したものの、後半の勝負どころで勝ちきれず9勝(6敗)止まり。その反省からプロ4年目にして初めて球種を増やすことを明言した。菅野はその理由を、今季終盤で痛打された左打者への対策と語ったが、もう一つ別の理由もあるという。

 

 室内でのトレーニング後、小林とキャッチボールとノックで汗を流した菅野は来季へのテーマについてこう口を開いた。「試したい球種が1種類、覚えたいなというのがある。今年フォークが全然ダメだったので、フォークになるのか、チェンジアップになるのか…」。フォークの本格導入か、チェンジアップの新規導入を検討するという。

 

 理由は主に左打者対策だ。今季、被打率2割3分4厘と抑えてはいるが、重要な戦いが続くシーズン終盤に痛い星を落とすケースが少なくなかった。しかも与四球は右打者の7に対して19。投げにくそうなさまを見破られた広島には、野手8人中5人を左打者で並べられた試合もあった。またDeNAの主砲・筒香にも被打率3割3分3厘、2本塁打を献上している。

 

 これについて女房役の小林は「最初から慎重になりすぎてボール、ボールとなったあとの甘い球を打たれたこともあったと思う」と語りつつも、球種を増やしたいのはあくまでも本人の向上心の高さゆえであるとしたが、もう一つの理由がある。

 

 今季交流戦以降、スライダーを狙い打たれる場面が増えたり、時にワンシーム頼みになりがちな配球面の偏りを是正するためだ。

 

 菅野は以前、防御率0点台をキープしていたシーズン序盤の好調についてこう語っていた。「ワンシームってボールも大きいですよ。やっぱり(小林)誠司も、困ったらそのボールって選択肢がありますからね。カウント不利なとき、2―1、3―1、2―0。やっぱりみんな真っすぐ待っているわけじゃないですか。そこで1球で終わりたい。面倒な勝負はしたくないんですよね。特に2ボールからなんて絶対真っすぐ狙いで打ってくる。そこで、真っすぐからピュッと曲がるだけでポンと内野ゴロですからね」

 

 確かに序盤はそれでよかったが、疲労がピークに達する夏場になればボールのキレや伸びも落ちてくるはず。球種を増やす決断に至った背景には“困ったときのワンシーム”からの脱却もある。小林もこうしたことも把握してか「(球種が)多いに越したことはない。球種によるメリットデメリットはあると思うので、そこは自分自身がレベルアップしていくために今しかできないと思う」と、配球面の向上を今後のテーマとした。

 

 WBCでは日本ハム・大谷と並ぶ侍のエースと期待される背番号19。小林の侍入りも濃厚なだけに、これをさらなる飛躍としたいところだが。