V奪回を目指すソフトバンクで“ムネリン”こと川崎宗則内野手(35=カブスFA)の出戻り復帰が例年にも増して現実味を帯びている。

 今季で米球界5年目を終えたが、送り出す際に王球団会長が口にしたとされるのが「5年」を挑戦のひと区切りとしたエール。しかも、その節目の年に世界一も体験した。家族の面でも国内復帰説は根強い。王会長とも毎年オフに家族ぐるみの付き合いを続けていて、球団幹部も「帰るならホークスと言ってくれている」と他球団への“流出阻止”には自信を持っている。

 ただ、それでも獲得に見通しが立っているとはいえないという。現在は“果報は寝て待て”とばかりに川崎の決断を待っている状況。

 球団フロントは「あいつの中でも気持ちがコロコロ変わっているようだ」。旧知の球団関係者も「性格的にあまのじゃくなところもあるから…。“もう5年だぞ、帰ってくるか”と言ったら“いや、10年はやりますよ”と言うしな」と苦笑いを浮かべた。

 かつて自身の決断の基準について川崎は「自分の生きざまというか、やりたいことをやりたい。明日なにをやりたいか。気が変わることもすごくあるので。パンと決めてサインしたら、どこかのチームと契約することになる」と話していた。

 ソフトバンクは「ウチとしては絶対に戻ってきてほしい選手。チームリーダー、ムードメーカーとして大きいし、二塁の本多、ショートの今宮、サードの松田と、いい刺激になるのは間違いない」(球団幹部)。こう復帰を熱望するが“永遠の野球少年”のムネのうちは果たして…。