日本ハム・栗山監督に正力賞「二刀流・大谷は野球界のため」

2016年11月17日 17時14分

「正力松太郎賞」を受章した栗山監督

 第40回正力松太郎賞選考委員会が17日、都内で行われ、今年はシーズン序盤につけられた11・5ゲーム差をはね返し日本ハムを4年ぶりのパ・リーグ制覇、10年ぶりの日本一に導いた栗山英樹監督(55)が満場一致で選出。球団初となる栄誉を受賞した。

 

 その選考理由について座長を務めたソフトバンク・王貞治球団会長(76)は「今年はいろいろな人の名前が出ましたけど、栗山監督の監督としての手腕を高く評価すべきでないかという結論に至りました」と説明。続けて「チームというのは固定観念が出やすい。打線はなるべく1年間、固定して戦った方が選手に余計なプレッシャーを与えない。その中で(大谷を)DHで使ったり、トップで使ったりという形で、なかなか他の監督がやり難いことをどんどん取り入れて起用し結果を出した。その期待に応えた大谷君が素晴らしかった。投げても打っても見る側の想像を超えた結果につなげていった」と栗山監督にしかできない二刀流操縦術とそれを確実にチームの勝利につなげていった手腕をたたえた。

 

 日本ハムとして初受賞となった栗山監督は「(13年前に)北海道に来てファイターズがやってきたことが結果を出すことで認められ評価された賞だと思っている。ボクが、ということではなく球団全員でもらった賞だと思っています」と球団の組織力が評価されての賞であることを強調。「(取材者時代から)球団や(吉村)GMが苦労してチームを作ってきたことを理解していた。(大谷の)二刀流にしても野球界のためにああいう『漫画みたいな選手を作ろう』というところからスタートしているので、そこを評価してくれたのならうれしい」と既成概念に捉われず広く球界全体の発展を意識した大谷翔平の育成、起用法に言及した。

 

 さらに大逆転Vの起点ともなった7月3日ソフトバンク戦で「1番・投手起用」を告げた時の大谷の反応についての裏話をこう明かした。「あそこはどうしても3連勝しなきゃいけないところ。たまたま(先頭打者弾を)打ったからいいけども、ダメなら相当批判される。だから翔平本人にも言ったよ。『これでダメだったら相当批判されるよ』と。それを理解していたから本人は何も言わなかった」。両者、そして球団がともにリスクを取って前に進んだその覚悟があったからこそ11・5ゲーム差は覆った。

 

 栗山監督はまた「もともとスタートから批判されている。それだけ真剣に見てもらっているから批判が生まれる。まだ見てくれている、まだチャンスがあると思っているのでありがたい。この仕事は批判される仕事」と元取材者ならではの監督業に対する覚悟も語った。