巨人のFA補強は終幕したのか――。球団が獲得交渉に乗り出した山口俊投手(29=DeNAからFA)と森福允彦投手(30=ソフトバンクからFA)の手応えは上々。順調なら月末にも両獲りが発表されそうなムードとなっている。ただし、これで終わりかといえば、まだ動きはある。残る大物の陽岱鋼外野手(29=日本ハムからFA)についても、まだ異例の“本社主導調査”が続いている。

 今オフ積極的にFA市場に参戦している巨人は、FA交渉解禁日に山口と森福にダブルアタックを敢行。両投手ともに現状を大きく上回る破格条件を用意して、がっちりハートをつかんだ。

 交渉役を務めた堤GMは、15日に「(両選手と)連絡は取り合っているが、(結論が出るのは)納会の後じゃないか」としており、今月下旬に予定されている球団の納会後まで返事を待つ構えでいるが、巨人側の手応えは十分。両獲り成功は時間の問題となっている。

 日本ハムから吉川光夫投手(28)と石川慎吾外野手(23)を獲得したトレードと合わせ、ここまでは、ほぼ筋書き通りに補強プランが進展。外国人補強に関しても国外中心に調査は進んでおり、すでに野手の新助っ人に関しては獲得のメドが立った模様。投手についても、今後絞り込みを進める構えだ。

 現場首脳陣からも「今年は大丈夫かなと思うぐらい、本気で補強に動いているよね」と驚きの声も上がっているが、球団からは、まだ“補強終結”の宣言は聞こえてこない。残る“野手のFA補強”の可能性について、慎重に調査を継続しているからだ。

 それが陽岱鋼。ただ、陽岱鋼に関しては他の多くのFA権保有者同様にシーズン中からマークしていたものの、球団内では異論があり、交渉解禁の直前まで“本格調査”の対象ではなかった。だが、読売グループ上層部の意向で風向きが変化。争奪戦へ加わるか、検討を重ねているという。

 ただ、読売関係者は「グループ本社幹部の中でも、微妙に意見は異なるようです」と明かすと、ポイントをこう指摘した。「最終的にゴーサインを出すのは主筆(渡辺氏)ですが、山口社長の意見も重い。ただ、老川オーナーも秋季キャンプを視察したように球団運営には熱心。この三人の結論が、どう出るか。いずれにせよ、今週中にも流れは定まるのではないでしょうか」

 陽岱鋼に関しては、楽天が興味を示していたが、すでに引いたとの情報もある。現状で参戦表明しているのは、オリックスだけだが…。果たして巨人は動くのか、決断の時は迫っている。