由伸巨人の山口獲得へ不気味な中日の影

2016年11月12日 16時30分

FA交渉を終え、取材を受ける山口

 巨人は11日、FA権を行使したソフトバンク・森福允彦投手(30)と福岡市内で、DeNA・山口俊投手(29)と、東京都内のホテルで初交渉に臨んだ。交渉の席で巨人側は、宮崎で秋季キャンプ中の高橋由伸監督(41)とホットラインをつないでそれぞれに猛アタック。両投手からはともに好感触を得たことで、ダブル獲得へ大前進した。ただ、山口に関してだけは、まだライバルの気になる動きもあるという。

 

 両投手との交渉役を務めた巨人・堤GMは、先に福岡市内で森福との交渉を終えると、空路で急ぎ帰京。夕方から山口との交渉に臨んだ。森福同様に複数年契約を提示した上で、いくつかの背番号を提示。先発の軸としての高い期待を伝えたという。具体的な金銭条件については「これから詰めていく」(堤GM)としたが、球団としては3年総額6億円前後の好条件を用意している。

 

 涙のFA表明会見から一転、緊張しつつも穏やかな表情で会見に臨んだ山口は「自分がすごくこだわっている先発として、高い評価をいただいた。そこは自分の考えと一致しているのかなと思います」と満足げな表情を浮かべた。

 

 巨人側は森福との交渉に続き、宮崎で秋季キャンプ中の由伸監督との電話会談をセット。山口は、同監督から「先発として完投できるところに魅力がある。一緒に強いチームを作っていこう」と声をかけられたといい、これに対し「前向きに考えさせてもらいます」と返したことを明かした。

 

 交渉解禁日に異例のダブルアタックを仕掛けた堤GMは「2人とも複数球団から話があるでしょうし、うちは一番ほしいという気持ちを伝えようと思った」と説明。「感触とかは軽々には言えない」と慎重だったが、両投手の反応を見る限り、両獲りへ大前進といっていいだろう。

 

 巨人サイドも2人の獲得には自信を深めており、森福に関しては、近日中にも話がまとまる可能性がある。山口に関しても相思相愛ムードで、ほぼ九分九厘巨人入りの方向で間違いない。ただ一点だけ無視できないのが、いまだ水面下で調査を継続しているといわれる中日の動きだという。

 

「こちらとしては早く決断してくれる方向に持っていきたいが、中日がまだ動いているようなんだ。いったいどんな目的があるのか…」(球団幹部)

 

 巨人がマークしているのは、中日・友利結投手コーチ(49)の存在。「金額条件では負けないはず」としているが、同コーチは12年から2年間DeNAでコーチを務め、山口とは今もホットラインがある。2人の関係性がはっきりしないだけに、巨人としては不気味さを拭えないでいるようだ。

 

 ただ、中日としても、勝ち目のない戦いには首を突っ込まないはず。巨人にやすやすと補強を許さないため、単に“ちょっかい”を出しているのか、それとも“逆転”への秘策があるのか――。

 

 巨人との初交渉を終えた山口は、決断時期について「どこになるにせよ、一日も早く決めたい」とした一方、「他球団からの話があればフラットに聞きたい」とも話したが…。すんなり巨人へ移籍となるのか、今後の展開から目が離せない。