中日の契約更改で異変が起きている。

 トップバッターで5月から守護神を務めた田島が8日に4000万円増の年俸8200万円(推定)で一発サインした時は「いの一番に田島を持ってきたのは球団の策略では」「あのタジさんでさえ、倍増に届かなかった。今年もどう頑張ってもどうにもならないってこと?」とナインは“厳冬更改”を覚悟した。ところが、その予測が外れ、逆にここ数年見られなかった“暖冬更改”となっているのだ。

 2013年オフに落合博満GM(62)体制になって以来、減額制限(1億円超は40%、それ以外は25%)いっぱいのダウン提示が乱発されたが、今年は10日までに16人の契約更改を終え、減額制限いっぱいのダウンは浅尾と松井雅の2人だけ。これまでなら大幅ダウンは免れなかった選手が現状維持になるなど温情査定が目立っている。アップ幅も例年以上で10日は堂上が倍増に近い1500万円アップの3300万円(推定)を勝ち取り「いっぱい上げてもらいました。本当にすごい評価してもらった」とニコニコでサインした。

 もっとも、そんな状況にチーム内では「何があったんだ」ともなっている。「誰が査定をしているのか、ということ。今回の査定にはGMがからんでいないんじゃないですか」というのは野手の一人。

 コストカッターと恐れられた落合GMならば、あり得ないというわけだが、一方で「GMは来年の1月いっぱいで契約が切れる。ここで厳しくしてファンから投書でも来たら契約延長に差し障る。だからおとなしくしているんだよ」(チーム関係者)との見方も。いずれにせよ、甘い査定を素直に喜べないのが、中日をよく表している。