侍ジャパンの強化試合(10~13日、東京ドーム)のメンバーに選出されているソフトバンク・千賀滉大投手(23)が、滑りやすいWBC使用球に四苦八苦だ。3日、ブルペンで120球を投げ込んだが、表情は曇ったまま。武器であるフォークが抜けることも多く、直球も思うように制御できず「反省点なんかない。全部ダメだった」と悔しさをブチまけた。

 今季は12勝(3敗)を挙げて先発ローテーションの一角を担ったが、プロ入り前はほぼ無名の存在で、国際試合にも縁がなかった。ただ、チームとしても千賀には国際大会の経験を積んで、さらなる成長を期待したいところ。

 工藤監督も「ジャパンに選ばれるのは光栄なこと。いい経験をしてくれたら」とエールを送る。WBC球についても「冬場の東京ドームは、どちらかといえば暑いくらい。汗をうまく使ってボールをこねてくれたら、たぶん大丈夫だと思う」とアドバイスした。

 球団関係者によれば、かつて代表に選出された大隣は「このボールしかないと思うしかない」と自らに言い聞かせて、WBC球に対応していたという。千賀は「何も変えない。今まで通りのことをやろうと思っている。そんなに悲観してないです」と前を向く。果たして本番までに対応できるか。