【日本シリーズ】勝負の分かれ目は?本紙記者が座談会

2016年10月31日 16時30分

ファンの声援に応える栗山監督

 今年の日本シリーズは日本ハムが広島を4勝2敗で下し、10年ぶり3度目の日本一に輝いた。日本ハムは2連敗のあとの4連勝と、第3戦以降に一気に流れが変わった格好となったが、勝負の分かれ目はどこにあったのか。本紙日本シリーズ取材班が激論を交わし、そこで浮き彫りとなったのは…。

 

 日本ハム担当A:10年ぶりに味わう美酒はうまいな。今年は「カープブーム」に沸いたから、何となく世間は広島が32年ぶりの日本一になる結果を求めているような雰囲気もあったけど…。やはり、そう簡単にはいかないよね。

 

 広島担当D:最初から、この流れは予想できていたと…。

 

 日本ハム担当A:簡単に振り返ってしまえば、このシリーズは栗山監督が最初から最後まで緒方監督をのみ込んでいたよ。最初に2連敗しても想定内ととらえ、まったく慌てていなかったしね。

 

 日本ハム担当B:栗山監督は「日本シリーズはレギュラーシーズンはもちろん、CS(クライマックスシリーズ)とも戦い方が全然違う。どうやって3つ負けるかが重要」という考えを持っている。第7戦までもつれるケースも想定し、頭脳的な選手起用と采配が必要となるということ。だから大方の予想を覆して大谷を第7戦の先発に持っていって、第6戦で増井をぶつけた。少なからず、広島側は「あれっ?」となったはずだ。

 

 日本ハム担当A:緒方監督はこういう栗山采配を生で目にし、4連敗を喫した第3戦以降は明らかにインスパイアされてしまったところはあったよね。代打を起用せずに反撃チャンスを潰してしまったり、そうかと思えば代打攻勢が失敗して試合を動かせなかった。いつものように泰然自若とした姿はあまりなかったように見えた。

 

 広島担当E:カープには2連勝の勢いで突っ走ってほしかった。やっぱり今年のカープは大型連敗しない勢いが持ち味でもあったわけだから…。第3戦を黒田が好投しながら、終盤で引っくり返されたのが痛かった。

 

 日本ハム担当C:あの第3戦でリリーフに失敗したのもジャクソンだったね。第6戦でも6失点…。せめて投手のバースにタイムリーを打たれたところで、代えてあげなくちゃ。

 

 広島担当F:緒方監督は「シーズン同様の戦い方をする」と言っていたけれど、今村やジャクソン、そして中崎といった「勝利の方程式」にこだわり過ぎてしまった感は否めませんね。

 

 日本ハム担当A:栗山監督は、選手の適性をデータだけでなく、直接対話することで性格もすべて把握している。だから采配に文句を言う選手は皆無に等しい。これは得てしてドラスチックな采配を強いられる短期決戦ではかなりのアドバンテージになる。この栗山流を一朝一夕でまねしようと思っても墓穴を掘るだけだ。

 

 広島担当D:確かにこの日本シリーズでは指揮官の経験値の差が出たかもしれません。栗山監督はチームを率いて5年目。2度目の日本シリーズで初の日本一になったわけでしょう。この苦い経験を緒方監督は必ず来年に生かすはずですよ。

 

 広島担当F:日本シリーズではいまひとつ機能しなかった1番・田中、2番、菊池、3番・丸も脂が乗り切ってますし、タナキクマルと同世代の安部も力をつけています。黒田さんは引退しますが、しばらくセ・リーグはカープ黄金時代が続く予定ですから。

 

 日本ハム担当A:来季のカープのお手並み拝見だね。日本ハムは栗山監督がいる限り、二刀流・大谷もうまく機能するだろうし、日本一連覇は間違いないんじゃないかな。

 

 広島担当E:いやいや、今度はカープが倍返ししますよ!