今回の日本シリーズで一番トクをしたのは広島・河田コーチ

2016年10月29日 16時30分

今回のシリーズで注目度急上昇中の河田コーチ(右)

【赤坂英一「赤ペン!!」】今回の日本シリーズ、勝っても負けても、広島で一番トクしたのは河田外野守備走塁コーチではないだろうか。第1戦では重盗で鈴木が本塁を陥れて先取点をゲット。第2戦では際どいタイミングで田中を本塁へ突っ込ませ、アウトの判定がセーフに覆って勝ち越し点をもぎとった。いずれも三塁コーチだった河田コーチによるサインや好判断のたまものだった。

 

 一躍注目の的となった河田コーチ、シリーズ中は常に報道陣に囲まれ、単独テレビインタビューも実現。シリーズ前より格段に知名度が上がったのは間違いない。田中のケースでは野村克也氏にテレビ番組で「本塁突入は間違い」と批判されたが、河田コーチは言う。

 

「少々微妙なタイミングでも、どんどん(腕を)回すからな、と選手には言ってます。ぼくに計算違いがあったとすれば、日本ハムの近藤や西川が強い(速い)球を投げたこと。これはぼくが去年まで西武で見ていたイメージと違っていた。そこは修正していますよ」

 

 だが、第3戦では大谷にサヨナラヒットを打たれた場面で批判が続出。セオリー通り前進守備を敷かず、外野手を定位置より深めに守らせた判断が疑問視されている。

 

 これに河田コーチは、「首脳陣で協議した結論です。サヨナラの走者の西川を本塁で殺すより、大谷を(飛球を打たせて)アウトにすることを考えました」と回答。ただ、様々な批判には「何を言われても仕方がない」と反論せず。連日の取材攻勢にも「取材はもういいです。ウソだけど」と苦笑いを浮かべた。

 

 いろいろとあって知名度を上げた河田コーチに比べて、石井打撃コーチは随分控えめだ。第1戦では代役4番松山が大谷から本塁打、第2戦では緒方監督にスタメン起用を進言した小窪が先制打したが「打撃コーチは打てないときに囲まれる立場。選手が打っているときに言うことはない」と口にチャックである。

 

 ただし、松山が第1戦の試合後「シーズン中までは4番目のバッターのつもりでしたが、今回は4番バッターのつもりでした」と発言したことには、石井コーチも少々顔をしかめた。「あいつはずっと4番目のつもりでいないといかんのに」と言っていたら案の定、当たりがピタリと止まり、第4戦(7番で出場)の試合途中に野間に交代させられている。

 

 そんな舞台裏の気苦労が続くのも、長くてあと2試合。カープが日本一になり、両コーチが笑い合えればいいのだが。