【日本シリーズ】日本ハム栗山監督プロデュース 大谷を平成のミスターへ

2016年10月29日 16時30分

広島空港に到着し、バスに乗り込んだ大谷

 プロ野球の日本シリーズもいよいよ大詰め。第6戦は29日、舞台をマツダスタジアムに移して行われる。日本一に王手をかけた日本ハムは、中6日で大谷翔平(22)が先発登板すると思われたが、28日に発表された予告先発は中5日の増井浩俊(32)だった。一体、何が起きたのか。栗山英樹監督(55)の狙いは…。キーワードは「平成のミスター」だ。

 

 札幌ドームでの3連戦全てに逆転勝利した日本ハムは28日、3勝2敗と王手をかけて再び空路広島入りした。西川の劇的サヨナラ満塁弾で勢いのついたナインは表情も明るく、札幌・新千歳空港を飛び立ったが、そのほぼ同じ時刻にNPBから発表された29日第6戦の先発投手を見た報道陣に衝撃が走った。

 

 広島は予想通り第2戦に先発した野村を持ってきたのに対し、日本ハムは予想された大谷ではなく増井…。第5戦の試合後、栗山監督は「これで少なくとも第7戦までいける権利を得た。慌てず最後の最後で勝ち切ります」と話していた。この時すでに「第7戦大谷」のプランを固めていたというわけだ。

 

 所用のためチーム便とは別便で広島へ向かった栗山監督は、増井の第6戦起用について「戦略上のことだから今は言えない。(ここまでの)勝ち負けによっていろいろな幅を考えた。(チームの)中の状況とか(選手個々の)調子とか。増井には昨日伝えたわけじゃない。ずいぶん前に伝えてある」。大谷は「頑張りますということだけ。いついけと言われても中(継ぎ)も想定して、特にこだわりもない」と話した。

 

 これで大谷はDH制のない敵地で第6戦は代打、クローザー待機。第6戦を落とすような展開となれば、第7戦での完投勝利を目指す。いずれにせよ優勝決定の瞬間を大谷で締めるというシナリオで、リーグV、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ突破に続き、大谷を今季3度目の胴上げ投手にしようという指揮官の演出ということになる。

  栗山監督の大谷への思い入れはとにかく強い。グラウンド上だけでなく、ファンサービスやメディア対応など、野球以外のことでも人の手本になるように指導し、その理由について「大谷はこれからのプロ野球界で、ミスター(長嶋茂雄氏)のようになるべき選手」と語っている。

 

 では、大谷を「平成の長嶋茂雄」というべき超スーパースターにするためには、どうすればいいのか。悩みに悩んだ末の結論が、第7戦で広島・黒田と投げ合い、胴上げ投手となる――というシナリオだった。

 

 思い返せば今季は栗山監督の思い描く、劇的なシナリオ通りに展開している。11・5ゲーム差をひっくり返しての逆転V、CSファイナルでの大谷のスーパーリリーフ、2連敗から3連続逆転勝利で王手をかけた今回の日本シリーズ…。

 

 そして「演出家」の栗山監督はこうも予言している。

 

「今年のセ・リーグは間違いなく広島の年。そしてパ・リーグは大谷翔平の年」

 

 果たしてラストシーンにはどんなドラマが待ち受けているのだろうか。