【日本シリーズ】ホームで逆王手へ 広島・新井アドレナリン大放出

2016年10月29日 14時00分

札幌から帰広した新井(右から2人目)

 崖っ縁に立たされた広島が本拠地での逆王手を全員一丸で目指す。29日の日本シリーズ第6戦(マツダスタジアム)に備え、チームは28日に札幌から帰広。日本ハムに2連勝から敵地・札幌ドームではまさかの3連敗を喫し、あっという間に王手をかけられたもののナインの闘志はいささかも衰えていない。特に野手の精神的支柱・新井貴浩内野手(39)はアドレナリンをビンビンと発散させながら本紙評論家・前田幸長氏に逆転日本一へ向けた熱い胸の内を明かした。

 

 たとえ、どんなに追い詰められようとも平常心を貫く。それが新井の美学だ。だからこそ、これまで何度も経験した試練を乗り越えてきた。

 

 この日もチャーター便で帰広する直前、新千歳空港で囲み取材に応じ「第6戦の試合は?」と問われると、テンションを高めながら「一緒。必死になってやるだけ。もう次、次! 自分は自分でしっかり準備して、それだけ。明日の試合で(勝って)、また明後日に試合できるように。それだけですよ!」と自分に言い聞かせるように語った。その力強い言葉と鋭い眼光を見る限り、前夜にサヨナラ満塁弾を喫し、チームが王手をかけられたショックは感じられなかった。

 

 それどころか、逆転日本一を確信しているようにも…。実は新井は日本シリーズを戦っている今の心境について、本紙評論家・前田氏に次のように打ち明けている。

 

「最初に2連勝しましたが、このまま行くとは思っていなかったですよ。ただ逆に、2勝したことで3連敗しても広島に戻って来る権利を得たとしか思っていなかったですね」

 

 本拠地・マツダスタジアムで第1戦、第2戦と、これ以上ない形で連勝スタート。周囲は「32年ぶりの日本一が見えた」と大いに盛り上がったが、その喜びもつかの間、敵地3連戦では最悪の3連敗。それでも新井はこの逆境を「想定内」ととらえ「広島に戻って6戦目が迎えられる。広島のホームで戦えるというのは、自分たちにとってものすごく大きなことだと思います」と述べると、こうも続けた。

 

「実際、この日本シリーズもホームで2連勝した時の応援はすごく大きかったですよ。レギュラーシーズンの時も、そうでしたね。今だからこそ言える話ですが、実は体がしんどい時期もありました。でも、とにかく地元のファンの方々の応援がすごいので…。その応援をいただいて自分のアドレナリンの量が一気に大きくなった。やっぱり応援の力はすごい」

 

 第7戦で本拠地胴上げを成し遂げるべく、新井は地元ファンの期待に応える決意を固めている。