日本ハムは28日、王手をかけた日本シリーズ第6戦(29日、マツダ)の先発投手を中5日の増井浩俊投手(32)と発表した。登板が予想された大谷翔平投手(22)を第7戦に回し、栗山英樹監督(55)がじっくりと腰を落ち着けて勝ち切りを狙う。

 同日午後3時過ぎ、大谷らチームは決戦の地・広島に向かって新千歳空港を飛び立った。その直後、予告先発が発表され、広島は野村祐輔投手(27)、日本ハムは増井となった。

 27日の第5戦(札幌)を西川のサヨナラ満塁弾で勝利した直後、栗山監督は「少なくとも第7戦まで行ける。慌てずに最後の最後で勝ち切る」と満員のファンに報告した。

 その後の取材で「投手の順番は最初から決めてある」と断言した栗山監督。最終戦は広島の先発が黒田と予想されるが、あえて大谷をぶつける腹積もりだ。

 投手としての大谷―黒田対決の実現だけではない。第6戦で大谷はベンチ待機し、展開によっては代打やクローザーとユーティリティーに動く。リーグ優勝、CSファイナルと胴上げ投手になった大谷を3度目の胴上げ投手にする狙いだ。

 今年を「翔平の年」と公言する栗山監督は、ソフトバンクとのCSファイナル第5戦(16日、札幌)でもDH解除でクローザー大谷を演出した。「1番投手・大谷」など数多くの“奇策”を繰り出してきた指揮官が、最後の最後でまたもや意表を突いた。