日本シリーズは26日、札幌ドームで第4戦が行われ、日本ハムが3―1で広島に勝利。2連勝で対戦成績を2勝2敗のタイとした。

 まさに「頼れるアニキ」だ。日本ハムは4回、右翼の近藤がエルドレッドの凡フライを落球。この適時失策で失った1点を追う6回、左翼スタンドに1号同点弾を叩き込み近藤のミスを帳消したのが中田翔内野手(27)だ。この一発で傾いた試合の流れを奪い返した。

 試合後、中田は「何とかゾーンに甘い球が来てくれた。状態は悪くないですし、事前に(岡田の)球の軌道を頭に入れて準備していた。それがピッタリはまった」と頼もしい表情。その上で「野手のミスはみんなのミス。みんなで取り返せばいい。近ちゃんも打席で『やってやるぞ』となっていたし、勝ってよかった」とチームの勝利を何より喜んだ。

 中田がこのパターンで男気を見せたのは昨年11月のプレミア12以来だ。同大会では予選リーグのドミニカ共和国戦(台湾)の7回の守備でDeNAの筒香が、目測を誤り平凡な左飛を二塁打にしてしまう痛恨のミスを犯した。直後にヤクルト・小川が同点2ランを浴び筒香は顔面蒼白の窮地に追い込まれた。

 しかし、この直後の8回二死一塁から筒香が四球でつなぐと4番・中田は左翼線に起死回生の勝ち越し二塁打を放ち、侍ジャパンと筒香を窮地から救ってみせた。中田は「僕も普段エラーしてみなさんにカバーしてもらっている。筒香が目測を誤って点を取られた時に何とかしてあげたいと思った」と語り、男を上げた。

 仲間を思いながら昨年11月の短期決戦で打率4割2分9厘、3本塁打、15打点と爆発した“ミスター・ノーベンバー”は「やっとチームにいい流れが来た。ここから取り返していければ」と逆転日本一に向け、今年は“ミスター・オクトーバー”になる決意でチームをけん引している。