【日本シリーズ】広島の勢いを止めた「暴走」と「中田対策の不備」

2016年10月27日 16時25分

6回、中田(手前)に同点弾を打たれ、広島ベンチは落胆ムードに

 日本シリーズは26日、札幌ドームで第4戦が行われ、日本ハムが3―1で広島に勝利。2連勝で対戦成績を2勝2敗のタイとした。マツダスタジアムでの連勝の勢いが止まってしまった形の広島だが、その原因は…。本紙専属評論家の伊原春樹氏は中田翔内野手(27)への対策不備などを挙げた。

【伊原春樹「新・鬼の手帳」】日本ハムが2連勝でがぜん有利になった。ビジターの第1戦と第2戦で日本ハムは普段通りの野球が全くできていなかった。広島に負けず劣らず西川、中島、岡と走れる選手がいるのに走者に出ても走るどころか、スタートも切らない。第1戦の広島先発のジョンソンのフォームだったら走れる。それなのに行かない。ミスも目立った。まるで裃(かみしも)を着て野球をやっているようだった。ただホームに戻って、そんな裃も少しずつ取れ、日本ハムらしい攻撃も出てきた。

 この試合では中田の一発も大きかった。広島は中田に対して勉強不足なんじゃないか。第3戦で大谷を敬遠して中田にやられた。おそらくスコアラーから「大谷はすごいです」といった情報が入っていたのだろう。ただ、ああいう大事な場面の中田はめっぽう強い。打率は2割5分にようやく届く程度だが、何といってもパ・リーグの打点王。節目では打つ。ソフトバンクとのクライマックスシリーズのファイナルステージでも大谷の敬遠のあとに勝ち越しタイムリーを打っている。

 広島は第3戦の延長10回に今度は中田ではなく大谷と勝負してサヨナラヒットを打たれた。こういうところもちぐはぐというか、尾を引いている。そういう点でも日本ハム側にいい流れが来ている。

 広島は1戦目、2戦目とホームゲームで伸び伸びとシーズン通り、足を絡ませる野球をやってきた。だが、積極性は時には裏返しとなる。暴走で流れがブチンと切れることがある。この日の4回無死一塁からの丸の盗塁死などもそう。そして8回の代走・赤松の盗塁死。先頭の新井が四球を選んで代走に赤松が送られた。ここで続く鈴木は初球を空振りしたが、おそらくバントのサインを見逃したのではないか。三塁コーチの河田コーチがすぐに鈴木を呼んで耳打ちしたのは「バントだぞ」との確認だったのだろう。しかし、2球目のバントを失敗。強攻に切り替えて凡打に終わった。送れずに焦りがあったことで赤松を走らせ、結果は失敗。これで流れが日本ハムにいってしまい、その裏の失点につながった。

 8回、レアードに一発を浴びたジャクソンは連日の失点。でもジャクソンは責められない。この日は最後の最後に甘いスライダーをポコンとやられた。打ったレアードを褒めるしかない。7回今村、8回ジャクソンはシーズンで通してきた形。代わりに大瀬良でいくというわけにはいかないだろう。

 ただ型通りではなくて対戦バッターを見ながらというのも一つの手。外国人対外国人の対戦では力勝負になりがち。ピッチャーの方が力で抑えてやろうとなってくる。そういうピッチャーにレアードは強い。基本は今村、ジャクソンだが、相手打者を見て継投することも考えるべきだ。

(本紙専属評論家)