ソフトバンクからドラフト1位指名された創価大・田中正義投手(22)が21日、都内にある同大学で指名あいさつを受けた。工藤監督が5球団競合の末に引き当てた当たりくじに「日本一を共に目指そう」と書き込み、王球団会長のサインボールと一緒にプレゼント。最速156キロ右腕は「チームに田中がいてよかったと思われるような選手になりたい」と抱負を語った。

 そんな田中は高校時代から栄養学に関心を持っており、今では一家言を持つまでになった。最たる例が昼食だ。

 創価大の寮では朝食と夕食が出るが、昼は各自で取る。田中の場合、昼は母特製の料理が1食分ずつ小分けにされたものが1週間ごとに送られてきており、その中からチョイスする。朝夕は献立表に含まれているタンパク質や脂質などの量が記載されており、田中は自身の体に必要な栄養素を換算。タンパク質であれば体重1キロにつき2グラム以上の摂取が必要だそうで、献立表とにらめっこしながら足りない部分を昼食で補うメニューを選択。完璧なバランス食を実現させているという。

 マニアぶりはそれだけにとどまらない。今年1月のキャンプ前には田中がホワイトボードを使って栄養について部員に“講義”も行った。摂取すべき栄養について直接指導を受け、家から料理を送ってもらうようになった選手が続出。「昼をレトルト食品で済ませていた人も多かったけど、今は少なくなりました」(あるナイン)と昼食改革も成し遂げた。

 さらにサバ缶ブームも発生させた。高カロリーの缶詰を食べている1年生を見かけると田中は「そんな缶詰を食べるんだったら、サバ缶食べろ」とタンパク質が豊富に入っているサバ缶を推奨。「ドンキ(ホーテ)で1年がサバ缶を買いまくってました」と上級生が苦笑いで振り返るほど一大トレンドとなった。

 まさに玄人はだしの栄養学も武器に、田中がプロの舞台に飛び込む。