中日の秋季練習が2日、ナゴヤドームでスタートした。森繁和新監督(61)は練習前にナイン、コーチ、スタッフをセンター付近に集め「監督としてやらせてもらうことになりました。よろしくお願いします」と、あいさつ。「最下位に終わったという屈辱と悔しさを各自、胸のどこかに置いてくれ」と訓示した。

 そんな森監督は、西武の新監督就任が決まった辻発彦作戦兼守備コーチ(57)の流出に頭を痛めている。8月に谷繁前監督が事実上の解任。その後、森監督が代行を務めるにあたり、一軍に昇格させたのが辻コーチで、内野守備を含めて打撃の作戦面などを任せるなど高い信頼を置いていた参謀。それだけに「1人ずっと一緒にやっている人がいなくなるのが間違いない。何十年もやっている人がいなくなるのは困る」という。

 もっとも、周囲からは「かえって良かったのでは」との声も出ている。というのも辻コーチが出て行く代わりに、今季まで西武で内野守備走塁コーチを務めていた奈良原浩氏(48)の入閣が濃厚となっているからだ。

 奈良原氏は2007年から中日でコーチを務めたが11年、当時の落合監督の辞任に伴って退団した。「非常に野球に詳しいクレバーなコーチ。選手へのあたりも柔らかく信頼されていたので『なんでクビにしたんだ!』と残念がられていた」とチーム関係者は言う。一方の辻コーチについては「年上の人間からの受けは良いが、選手受けはあまり…」(同関係者)。

 西武との“変則トレード”は中日に分があるか。