中日の新監督に今季8月途中から監督代行として指揮を執った森繁和ヘッドコーチ(61)が就任し、29日、名古屋市内で会見した。今季は球団創設80周年ながら2リーグ制以降では球団初となる4年連続Bクラス、19年ぶりの最下位と屈辱的なシーズン。「苦い、ものすごい厳しい1年間でした。まだまだ、やらなくちゃいけないことがたくさんある。それを一つずつ片付けていきたい」と抱負を語った。

 選任理由について佐々木球団社長は「統率力、けん引していく力があり、若い選手の育成観も持っている。一見、非常にいかつい怖い顔をしているが、心は極めて繊細でやさしい。人間をよく知っている人間通。甘いも辛いもかみ分けられる天才だなというキャラクター」などと話したが、そんな森新監督には今季国内FA権を取得した大島洋平外野手(30)と平田良介外野手(28)の説得役としても期待がかけられている。

 2人に興味を示している球団はそれぞれ複数あるとされ、ダブル流出の可能性も十分ある。だが「男気ある性格の森さんから『頼む、残ってくれ! お前が必要なんだ!』と背中をバンと叩かれて口説かれれば、うれしいもの。大島も平田も残留してくれるのでは」とチーム関係者。森新監督のパワーが2人の流れも変えてくれるはず、とみているのだ。

 森新監督も「当然、アプローチはしていく。2人は必要な戦力だし、いてもらわないと困る。FAは選手の権利だから最終的に決めるのは本人。だけど、今日からはチクチク電話を入れたり話をしていこうかなと思う。2人は残ってくれると信じているし、残らせるように努力はします」と大張り切り。こちらの交渉の行方も注目だ。