【伊勢孝夫「新IDアナライザー」】今季のオリックスの外国人はお金をかけた割には働かなかった。特にクラークは絶対にダメだと思っていた。元中日でセ・リーグを経験しているといってもクラークぐらいではパ・リーグの投手を打てない。それくらいソフトバンク、日本ハムの投手はいいからね。ブランコなんか瀬戸山球団本部長がドミニカ共和国の自宅まで行ってヒザの状態の確認をしたのに…。外国人が働かないと最終的に風当たりは編成のトップにくるよ。

 オリックスはもう助っ人に頼らず、もっと自前の選手を育てないといけない。同じ負けるのでも若い選手を使って負けたならファンもまだ納得してくれる。コーチングスタッフも含めて二軍の強化が必要だ。オリックスは二軍コーチの数が少ない。もっと人数を増やして、多くの目で若い選手を見てあげないといけない。

 その中から3~4人をピックアップして「この選手を何とかしよう」と、とことんやってみることだ。チョイスした選手が活躍するとは限らないけど、多くの目で見てあげることが大事。コーチを減らして外国人にお金を使っている状況ではダメ。選手と一緒に泥まみれになってやってくれるコーチ、寝食をともにしてくれるコーチが何人いるか。次期監督になるであろう田口二軍監督をバックアップできるコーチが何人いるのか。フロントが私情をはさんで連れてきたようなコーチではなくてね。

 そうすれば選手も「オリックスのために」という気持ちが出てくる。日本ハム、ソフトバンクの選手からは「監督のために」「チームのために」という気持ちが伝わってくる。すぐに結果は出ないかもしれないが、福良監督も心を鬼にして選手を見極めないといけないだろう。 (本紙評論家)