優勝へのマジックを「1」としていた日本ハムは、27日の西武戦(西武プリンス)に0―3で敗れ、2位のソフトバンクがロッテ戦(QVC)に3―2で勝ったため、この日の優勝決定は持ち越しとなった。仕切り直しとなった日本ハムは28日の西武戦に、大谷翔平(22)が満を持して予告先発する。

 勝てば優勝の大一番は、1か月ぶりの先発登板となった吉川が5回4安打3失点で降板。打線は西武先発・岸らの前に散発5安打と振るわず、スコアボードには9つのゼロが並んだ。

 敗戦直後の一塁側選手サロンでは、ナイン、首脳陣、関係者らがロッテ―ソフトバンク戦の動向にくぎ付けに。ホークスが2点リードの8回、先発・千賀が連続押し出し四球を与えて同点にされた場面では、千賀がボールを1球投げるごとに大歓声が湧き上がった。

 9回に再びホークスが1点リードを奪った場面からは、西武プリンスドームの大型ビジョンで試合中継が始まり、ナインもロッテの逆転サヨナラ勝ち↓胴上げに備え、ベンチへと観戦場所を移動したが歓喜の瞬間はお預けとなった。

 試合後、コーチ室でソフトバンクの勝利を見届けた栗山監督は「明日頑張ろう。相手は負けないと決めているから。もう勝つしかないんで。(勝ち方は)なんでもいい」と切り替えた。

 この日の黒星は福岡から札幌への移動ゲームだった23日の楽天戦(札幌ドーム)に続き、大阪から所沢への移動ゲームでの敗戦。いずれも大谷への負担を考慮した上で、打者でのスタメン出場を見送った末の負けだった。

 しかし、その大谷は7回二死一塁の場面で代打出場し、相性のいい岸の内角速球を中前に落とし好走塁と合わせ二、三塁のチャンスを演出。だが、後続が倒れ無得点に終わった。

 打者・大谷を効果的に使えず、V目前で足踏みする結果となった日本ハムは残り2試合。大谷は28日、母校・花巻東の先輩・菊池相手にチームの優勝をかけた大一番を迎えることになった。「明日は取るだけなので、しっかり抑えて勝ちます」と力強く必勝宣言。野球人生初Vを決めるにふさわしい舞台は整った。