阪神のドラフト1位ルーキー・高山俊外野手(23)が27日のヤクルト戦(甲子園)の7回に中前適時打を放ち、1998年の坪井に並ぶ球団新人最多となる135安打をマークした。チームは4―3で勝ち、今季初の5連勝で4位に浮上。虎党の祝福を受けた高山は「ずっとその数字を聞かされていたので、そこを一つの区切りとしてこれたのがよかったのかなと思う。僕にとっては大きいことではないかもしれないが、ファンの方のたくさんの声援を聞いて達成できてよかった」と喜んだ。

 偉大な先輩と肩を並べた今回の記録で、実は誰よりも大喜びしているのが当のDeNA・坪井打撃コーチ。「高山が騒がれるまで、自分が(阪神新人の)安打の記録を持っているなんて実は全然知らなかったんだよ。彼が打ってくれたから自分の記録も世間に知ってもらえた。(たとえ)記録が抜かれることになってもなんとも思わないよ」と自身の記録が“2位降格”となっても今回クローズアップされたことに大感謝しているというのだ。

 坪井コーチは阪神で新人時代から2年連続の打率3割をクリアした実績の持ち主。以後、阪神で目立った新人野手が出てこない状況を憂いていたこともあったが、それも今は昔。「高山を初めて見た時『1年目から3割打てる選手』と思った。それくらいの力がある。阪神はヨソと違って重圧がすごい。その中での好成績だから胸を張っていい」と改めて絶賛した。

 金本監督は高山の記録について「そこは抜くとは思ってるんで、特にはない」と当然と言わんばかりの表情で答え、さらなる奮起を期待した。シーズンは残り2試合。球団新人最多安打の単独トップ浮上はもちろん、あと1に迫ったミスタープロ野球、巨人・長嶋茂雄が持つセ・リーグ新人最多猛打賞記録(14度)も抜いて今季終了!といきたい高山だ。