ヤクルトの山田哲人内野手(24)が史上初となる2年連続トリプルスリー達成に向け、ラストスパートに入った。

 昨季に続き今季も3割、30本塁打、30盗塁のトリプルスリーを目指している山田は21日現在、38本塁打、30盗塁で残るは打率のみ。7月半ばには3割5分前後に上げていたが、7月30日の巨人戦(東京ドーム)で左背部に死球を受けて以降は調子を落とし、打率は3割1分5厘まで下降した。それでも山田は「残りの試合も少しだし(出場は)余裕。(死球の)残像はある。でも乗り越えるしかない」と前だけを向いている。

 そんな山田は2年連続の快挙に向け、師匠の杉村繁コーチ(59)から、あるノルマを課されていた。シーズン序盤から山田に「月30安打、6か月での180安打」を厳命してきたという。

 これには理由がある。同コーチは「いきなり打率3割を打てといっても身近にイメージができないし、難しいからね」と話す。さらに「1日1本以上打てというとプレッシャーになる。月に30安打なら1日打てなくても明日挽回すればと思える。1週間打てなかったとしても、翌週に打って挽回すればいいと考えられる。そういう計算がしやすいからね」と続けた。

 これがはまり、山田は常に打率3割以上をキープし、セ・リーグのリーディングヒッター争いでも5位につけている。安打数は途中ケガで10試合を欠場しながらも145。「月30安打理論」で山田がさらなる高みに上る。