広島が24日の巨人戦(東京ドーム)に7―3で勝ち、優勝へのマジック「20」を点灯させた。この日のマジック点灯は日本シリーズを連覇した1980年に並ぶ最速タイ。最短胴上げは9月6日となる。いよいよ25年ぶりの優勝へ、カウントダウンが始まったが、各選手の貢献度ランキングも気になるところだ。そこで本紙は、東スポグループ総勢25人の野球記者による「先行MVP投票」を、本番さながらに実施。本紙が自信を持って「MVP当確」を出したのは――。

 本紙が実施した「先行MVP投票」は、実際の投票同様、野球担当の記者それぞれがMVP候補3選手を選出し「1位5点、2位3点、3位1点」で点数化。合計点数が多い選手が、栄えある最高殊勲選手(MVP)となる。

 今回はパ・リーグが大接戦のため、セ・リーグだけで実施。MVPという賞の性質上「優勝に最も貢献した選手」が選ばれるのが通例だが、過去にはチームが優勝しなくても、3冠王に輝いたロッテ・落合や、シーズン210安打を達成したオリックス・イチロー、シーズン60本塁打のヤクルト・バレンティンらが選ばれた例もある。

 今季の広島は投打ともに飛び抜けた成績を残している選手がいるわけでもなく、チーム全体の力で白星を積み重ねていった。それだけに投票結果も、接戦になるかと思われたが…。25人中、21人から1位票を集め、ぶっちぎりで「MVP当確」としたのが新井貴浩内野手(39)だ。

 1位票以外にも2位票2、3位票2と、実にすべての記者が新井に投票するという、圧倒的な結果に。今季は通算2000安打、300本塁打を達成するという節目のシーズンとなり、打率も3割をキープ。何よりここぞの場面で試合を決める一打を次々と放ち、打点王のタイトルも争っている。チームに不可欠な存在となった。

 次点の2位には、1位票2を獲得した菊池涼介内野手(26)。リーグトップの安打数を誇り、攻守ともに貢献度が高く、チームの危機を何度も救った。3位の黒田博樹投手(41)は今季、日米通算200勝を達成。成績こそ野村祐輔投手(27)やクリス・ジョンソン投手(31)に劣るが、精神的支柱として若い投手陣を支えた。

 他には「神ってる」活躍でチームを盛り上げた鈴木誠也外野手(22)、17試合連続無失点を記録するなど、絶対的セットアッパーとして君臨したジェイ・ジャクソン投手(28)、安定したリードで投手陣を引っ張った石原慶幸捕手(36)、守護神に定着した中崎翔太投手(24)、3番打者として勝負強い打撃が光った丸佳浩外野手(27)らを推す声も上がった。

 他球団の選手では3冠王の可能性があるDeNA・筒香嘉智外野手(24)に票が集まった一方、2年連続トリプルスリーが期待されるヤクルト・山田哲人内野手(24)、優勝の可能性を残す巨人からは打率リーグトップの坂本勇人内野手(27)にも票が入った。

 果たして実際のMVPは誰になるのか。といっても今回の投票結果を見る限り、巨人のミラクル大逆転Vがない限りは、新井でスンナリ決まりそう。39歳でのMVPは、2010年の中日・和田の38歳を上回る、セ・リーグ最年長記録となる。