なぜ今年も神宮で勝てないのか。巨人が12日のヤクルト戦(神宮)に4―5で逆転負け。投手陣が踏ん張れず、故障者続出でボロボロ状態の相手に、まさかの黒星を喫してしまった。まさに痛恨の連敗で、首位・広島がDeNAに勝ったため、その差は再び6・5に拡大。このままペナントレースは終わってしまうのか…。

 先発の江柄子は5回途中8安打3失点KOで、菅野の離脱で巡ってきたチャンスを生かすことができなかった。それでも坂本、クルーズのソロ本塁打で2度リードを奪ったが、最後は3番手で中継ぎ初登板の高木が誤算だった。伏兵・西浦に決勝ソロを浴びるなど、2回2失点で逆転を許した。

 ピリッとしなかった江柄子について、由伸監督は「ファームで結果を出しているわけだから、同じように投げてほしかった」。高木に対してはさらに厳しい表情で「いいと思って使っているわけだから、抑えてほしかった」と語った。

 今季神宮での対戦成績は、これで1勝6敗となった。東京ドームでのヤクルト戦は9勝0敗と圧倒しているだけに、敵地での劣勢が際立つ。過去5シーズンで15勝27敗3分けと苦手にしている傾向が、今季も引き続き表れている格好だ。

 球団は年明けのスタッフミーティングで「神宮でのヤクルト戦をどれだけ拾えるかがV奪還へのカギ」と重要課題に掲げた。4月13日にはエース菅野が同球場での初勝利を完封で飾り、チームの苦手意識も消えたかに見えた。ところが、その後は5連敗。昨季の覇者とはいえ、投手陣が崩壊中で、山田、川端、畠山ら、打の主軸も大量離脱しているヤクルト相手に取りこぼしているようでは、逆転Vも遠のくばかりだ。

 神宮での対戦は13日の試合を含め、残り3戦。広島とのマッチレースに持ち込むには、まず“神宮アレルギー”の払拭が絶対条件となる。