「ポルシェおねだり報道」で大きな批判を浴びた日本ハム・斎藤佑樹投手(28)が、28日の西武戦(西武プリンス)に今季3度目の先発登板。昨年9月16日のロッテ戦(QVC)以来の白星を目指したが、先発で今季最短となる3回2/3を6安打5失点と炎上し、あえなくKOされた。逆風を結果で吹き飛ばしたいところだったが、その裏では「ポルシェ自粛」をしていたことが判明。騒動余波でかなりナーバスになっているようで、試合後の“怪行動”も気になった。

「真っすぐがよくなかった。本来の真っすぐと比較して質もそうですし、思った通りに投げられなかったです。攻めの投球ができませんでした」
 試合後、斎藤はこの日の88球を振り返り、今季自己ワースト、首位のソフトバンクを猛追する好調のチームに水を差す結果となってしまった投球内容を反省した。

 初回に長短4連打を浴びて3失点。2回にも二死から四球がらみで秋山に8号2ランを浴びる悪い流れで試合の主導権を西武に渡してしまった。

 前回13日のオリックス戦(京セラ)登板に合わせるように報じられた週刊文春の「ポルシェおねだり報道」。斎藤が早実校友会会長を務めるベースボール・マガジン社の池田哲雄社長に高級外車のポルシェや、都内マンションの提供(車は月12万円でリースと判明)を受けていたとの内容で、大きなバッシングを浴びた。

 早実OBの間では“公然の秘密”ともなっていた内容だけに、早実関係者は「知っていた人間にとってはついに出ちゃったかという話」。それでも今季未勝利と結果が出ていないこともあり、斎藤自身もイメージダウンを気にしていたという。

 報道が出て以降、文春を含めた報道陣やファンの目を警戒してか、都内自宅から千葉・鎌ケ谷の二軍施設への移動の際には、それまでは全くの無警戒だった“ポルシェ通勤”を自粛するようになった。現在では関係者の運転する乗用車での移動に切り替えている。

 かなりナーバスになっているようで、登板後、登録抹消が決まったこの日の試合後も、報道陣の囲み取材を終えると周囲を警戒しながら西武プリンスドームの駐車場へ。そこでは複数のカメラマンらを目でけん制しながら“人払い”。自分の車を特定されないようにしてから、球場を後にするという怪行動も気になった。

 栗山監督は「勝負に行って打たれているならまだいい…。良くなっていたフォームがバラバラだったし、あそこで代えさせてもらった。(継投した)新垣も球数を投げているので2人一緒に抹消する」と斎藤の背信の影響に納得のいかない様子だった。

 ポルシェ騒動の余波が、微妙な制球に影響してしまったのか、それとも…。再び二軍調整となった斎藤は「全体的に真っすぐを良くしないと。それはちょっと時間をもらうんで修正しないといけない。でもフォームの問題が一番なんで」と、この日出てきた課題に言及したが、周囲の雑音を振り払う反論の場は、マウンド以外にはない。