阪神は27日のヤクルト戦(甲子園)に9―0と快勝。4回に球団新記録の1イニング10連続打数安打の猛攻で一気に9得点を奪った。5月以来の今季4度目の3連勝で3カードぶりの勝ち越しを決め、中日と5位タイ。金本知憲監督(48)は「この勢いが大事」と反攻を宣言したが、この舞台裏では“炎の怪僧”こと鹿児島・最福寺の池口恵観法主(79)の「気パワー」が炸裂していた。

 貧打に泣き続けてきたのがうそのような虎打線の爆発劇だった。4回、江越の右前打を皮切りに猛打ラッシュ。無死一、二塁から原口が左翼フェンスをぎりぎりで越える9号3ランを放って先制。6年目・荒木のプロ初打点となる右前打、高山の2点右前打、福留の押し出し四球、そして原口がこの回2度目の打席で2点左前打。1イニング10安打9得点の猛攻でツバメを圧倒だ。

 原口の1イニング5打点は2003年5月31日の巨人戦で現役時代の金本監督が記録して以来、球団史上2人目の快挙。指揮官は「5打点だろ。(先制の)3ランは大きかった。守りでも捕手で完封したし…。両方でよくやってくれた」と原口をたたえ「勢いに乗っていきたい。1年を戦う中でこの勢いは大事。いい意味でモチベーションを高めて波に乗っていければ」とチームとしての反攻を改めて宣言した。

 5月以来の3連勝。後半戦5連敗スタートから一転、復調気配だが、実はこの日、金本監督が恩師と慕う“炎の怪僧”こと最福寺の池口法主が甲子園で今季初の生観戦。「このまま最下位でいいわけがない。私も陰ながら力を与えたい。まあ見ててください」と特別の「気パワー」をバックネット裏から“注入”していた。

 それだけではない。金本監督は21日に京都に滞在中の池口法主のもとを今季初めて訪問。自ら「今年は試合で予期せぬミスが起きすぎる。どうなんでしょうか」など悩みを打ち明けた後、21日夜と翌22日の朝の2回にわたってその問題を打破する「気パワー」を背中から一身に浴びていたという。

 阪神は22、23日の広島戦(マツダ)は敗れたが24日から3連勝。「2試合ほど結果は出ませんでしたが、これからは違ってくる。最初見た金本監督の顔は疲れきっていたが、今は自信を取り戻しているから大丈夫。これから阪神は強くなっていく。監督には『大スターだった長嶋さん、王さんも監督になった時は苦しんでいる。今がどうあっても一番上だけを見て、自信を持ってやりなさい。3位だとか小さなことを考えずに優勝するしかない!という気で頑張りなさい』と言ったら大きく笑っていました」と話した池口法主は、この日の快勝の試合後も金本監督を直接激励し、改めて「気」を送ったそうだ。

 遅ればせながら開始された“炎の怪僧”の後方支援。金本タイガースにミラクルは起きるか。