中日のダヤン・ビシエド外野手(27)は来日1年目で球宴に選出され「とても光栄でうれしい。中日の代表としてアピールしていきたい。オールスターはお祭り。三振してもいいので一発を狙ってみようかな。結果よりも、そういう気持ちで臨もうと思う」と意気込んだ。本塁打競争出場にも意欲を示し「以前、マイナー時代に出場した時は勝てなかった。今回は期待してほしい」と力を込めた。

 もっとも、球団サイドはこのビシエド発言に渋い表情だ。「球宴で活躍することはとてもいいことだけどホームランだけは狙わないでほしい。できればホームランダービーにも選ばれない方がいい」とチーム関係者。別の関係者も「球宴で一発病に取りつかれてしまったら、クシャクシャになって、後半戦から取り返しのつかないことになってしまいかねない」と不安そうに話した。

 シーズン中のビシエドは「とにかく自分のスイングをして本塁打よりもヒットを打てるようにと考えている。本塁打は狙って打てるものではない」と常々言っており、普段の打撃練習でも右からセンター方向へ逆らわずに打ち返すのが中心で左へ引っ張ることは重視していない。それだけにチーム関係者は「球宴だからといって、これまでの考えを一変するのは危険」と心配しているのだ。

 球宴第1戦、第2戦の試合前に行われる「ホームランダービー」の出場選手(両試合ともリーグ2人ずつ)は5~10日のファン投票で決まり、結果は12日に発表される。4日現在、ビシエドは本塁打数でヤクルト・山田(28本)、DeNA・筒香(19本)に次ぐ17本でリーグ3位につけているだけに選出される可能性は十分。日本語で「オールスター、ガンバリマース!」と笑顔で話したビシエドだが、中日サイドはピリピリムードだ。