苦戦中のヤクルト真中監督「救世主いないが…」

2016年06月16日 16時00分

真中監督(右)と話す前田氏

【前田幸長 直球勝負】昨年のセ・リーグ王者が悪戦苦闘している。2桁の借金を抱えてリーグ最下位。開幕前の時点ではヤクルトの連覇を予想していたが、これだけ“投壊”が深刻化してしまうと、どうしても厳しくなる。特に先発陣は不振やケガで主力どころが続々と二軍降格。頼みはエース・小川ただ一人という状況だ。

 

 15日のソフトバンク戦(神宮)の試合前、練習中の真中監督を直撃すると、開口一番「やっぱり野球はピッチャーだよな」。彼とは同い年で現役時代から親しい間柄だけに、苦笑いを浮かべながらも悲痛な叫びを口にする姿にはどうしても同情してしまう。指揮官はこうも嘆いた。

 

「今季は先発投手が初回から大量失点してしまうケースが多いだろう? そうなるとやっぱり苦しいよね。追いつこうと必死になる打者たちにとっては、いきなり序盤から自分の100%以上のパフォーマンスが求められる流れになってしまう。ぜいたくは言わないけれど、先発投手が5回3失点ぐらいに抑えてくれれば…。そういうシチュエーションから去年は何度も逆転した試合があったし、モチベーションが保てるんだけどねえ」

 

 私が「ファームに誰か救世主はいないの?」と聞くと「いたら最初から呼んでいるよ。誰もいないから、こうなっているんだ」。そして、ちょうど反対側の三塁側ベンチ前でアップを開始したソフトバンクの面々を見ながら「あっちから3人ぐらいもらいたいよね」とポツリ。それは冗談とも本気ともつかない口調だった。

 

 ただ、もちろん今季の戦いをあきらめているわけではない。苦しいチーム状況でありながらも“混セ”となっていることに何とか活路を見いだしたいようだ。

 

「(上位のチームが)ズバぬけているわけじゃない。そこはチャンスがあると思っているから」

 

 そう言って目を光らせた真中監督。このチームはディフェンディングチャンピオンだけに高い経験値が備わっているのは間違いない。だからこそ再浮上を狙う自信が、まだあるのだろう。

 

 (本紙評論家)