広島が14日、西武戦(マツダ)で史上初となるコリジョン(衝突)ルール適用によるサヨナラで勝利を飾った。
2―2の同点に追いつかれた9回二死から2番・菊池涼介(26)の右前打と盗塁で得点圏に走者を進めると、3番・丸佳浩(27)は敬遠。打席には途中出場の赤松真人(33)。
初打席となった走りのスペシャリストは、西武の守護神・増田達至(28)の初球スライダーをとらえて渋く二遊間を破る。迷わず菊池は本塁へ突入したが、タッチアウトの判定が下る。
しかし西武・上本達之捕手(36)の足が走路をふさいでいたようにも見えたため、緒方孝市監督(47)はベンチを飛び出す。これを審判団が制し、勝敗をかけたビデオ判定が行われた。
判定は長時間に及んだが、責任審判の杉永が「コリジョンルールを適用しセーフといたします」と告げた瞬間、今季一番?とも思える大歓声が球場を包んだ。
赤松は「セーフという結果を祈っていたが、アウトでも切り替えようと。半々の気持ちだった」とコメント。緒方監督は「(コリジョンルール適用の)確信があった」と興奮気味に振り返った。