巨人・菅野 またも見殺し なぜ援護できない

2016年06月11日 16時00分

6回、中村晃の打球を受ける菅野

 またもや背番号19が見殺しにされた。巨人の絶対的エース・菅野智之(26)が10日のソフトバンク戦(ヤフオク)に先発し、8回2失点の力投。パの最強王者を相手に堂々と渡り合ったが、味方は6安打で援護はわずかに1点。12球団唯一の防御率0点台を誇りながら、菅野は勝ち星(5勝)を伸ばすことができず2敗目を喫した。昨季から好投が報われない状況が続いているが、菅野が投げる時になぜ打線は打てないのか。

 

 何度同じような光景が繰り返されるのか。菅野は3回、二死一、二塁のピンチから内川のポテンヒットで先制点を許したが、超強力打線を相手に7回まで最少失点で切り抜けた。

 

 そして1―1で迎えた8回だった。球数が100球を超えて徐々に制球を乱し、安打と2四球で一死満塁とされ、鶴岡の右犠飛で痛恨の2点目を献上。これが決勝点となり、菅野は120球の粘投も実らず力尽き、敗戦投手となった。 試合後は開口一番「強いですね」と率直な感想を口にし「このチームに勝たないと日本一になれない。いい勉強になりました。こういうところで勝ちたかった。正直、負けて得るものはないです」と脱帽しつつ悔しさもにじませた。

 

 ただ、菅野を責める者は誰ひとりとしていない。

 

 それもそのはずで、菅野の登板日には貧打線が輪をかけて精彩を欠く。昨季も菅野は防御率1・91の好成績にもかかわらず援護に恵まれず、10勝11敗と負け越し。今年も状況が改善される兆しはなく、先月も13日のヤクルト戦からの3試合(計24イニング)を自責点0に抑えながら、その間の援護はたったの1点で0勝1敗だ。前回登板の日本ハム戦こそ珍しく5点を取ったが、この日は阿部の適時打による1点だけと逆戻り。なぜ、こうも打線は菅野を援護できないのか。

 

 もちろん、野手陣も菅野を見殺しにし続けていることを痛いほど分かっている。ナインによれば、菅野の登板日の試合前ミーティングでは「今日は打って勝とう!」と引き締めているといい、これは内海らベテランを除く20歳代の投手では菅野の時だけだという。

 

 しかし、今のところ大きな効果を発揮しているとは言えない。別のナインは「いつもいいピッチングをしてくれるし、智之には本当に申し訳ないという言葉しかない。智之に限らず、誰が投げても打って楽に投げさせたいけど、智之が投げる日はチームの雰囲気が全然違う。いつも以上にピリピリする。今まで援護できていないのも分かっているから、どこかで“打たなきゃ、打たなきゃ”という意識が働いてしまう。言い訳にしかならないけど、正直プレッシャーはある」と打ち明けた。

 

 要するに、積み重なった菅野に対するバツの悪さでジレンマに陥り、かえって自分たちの首を絞めているようだ。由伸監督は「いいピッチングを続けているんですけどね。チームとして申し訳ない。いつも援護してあげられない」とエースをかばい、村田真ヘッドコーチは「1点じゃな!」と打線に奮起を促したが…。菅野の力投に報いるためにも何とか不振脱却といきたいところだ。