日本ハムは6日、試合観戦中にファウルボールが直撃し右目を失明した30代女性が球団、札幌ドーム、札幌市の3者に対し損害賠償を求めていた訴訟について先月5月20日に言い渡された札幌高等裁判所の判決について、上告しなかったことを発表した。原告側も上告しなかったため、本件は控訴審の札幌高裁判決が確定した。

 女性側は3者に対し計約4650万円の損害賠償を求めていたが、札幌高裁(佐藤道明裁判長)は先月20日、3者に対し約4190万円の支払いを命じた一審・札幌地裁判決を減額し、球団にのみ約3350万円の賠償を命じる判決を言い渡していた。

 日本ハム球団は「札幌高等裁判所が下した判決を精査した結果、他の球場同様、札幌ドームにおける野球観戦の安全性など当方の主張が認められる内容であったことなどを踏まえ、総合的に判断して上告しないこととしました。保護者同伴を前提とする小学生招待の企画に限定した安全配慮義務違反につきましても、裁判所の指摘を真摯に受け止め改善に努めてまいります。事故に遭われた方とご家族に心よりお見舞い申し上げるとともに、今後は同種の事故が起こらないよう、皆様に安心して迫力あるゲームをお楽しみいただくべく球場の安全性確保に向けて鋭意努力してまいる所存です」とコメントを発表した。