阪神は26日のヤクルト戦(神宮)に5―6と2試合連続&今季5度目のサヨナラ負けを喫し、借金1の4位に転落した。9回は守護神・マテオが救援に失敗したが、ふがいないのは7回5失点で降板し、これで6試合勝ち星なしの先発・藤浪晋太郎(22)だ。金本監督は早期の復調を願っているが、肝心のエースは…。

 絵に描いたような2夜連続のサヨナラ負け。「超変革」の足踏み状態に悩む金本監督が、この日一番に苦言を呈した相手は“勝てないエース”藤浪だ。「まだ本調子じゃないけど、早く修正してもらわんと…。もう6試合だろ? そのうちとは思っているが、もう少し上がってきてほしい」

 藤浪は7回131球を投げ、今季ワーストの11安打を浴びて5失点で「調子は悪くなかった。むしろいい方だと思った。良い感覚は出ているが、結果が出ないと意味がない」。4月12日のDeNA戦で3勝目を挙げたのを最後に白星がない。昨年オフから指揮官には「19勝しなさい」「大黒柱になれ!」と熱いメッセージを送り続けられてきただけに現状はあまりに寂しい。

 そんな藤浪もひそかにもがき苦しんでいる。「僕は不器用なので開幕までに状態を仕上げきれないんです。今はフォームや体のバランスや指先の感覚だったり、良い感覚が継続できない」と打ち明ける。今季はオフの肉体改造で筋肉量を増やし、96・5キロでキャンプイン。現在は95キロに落としたが、昨年の同時期に比べると4キロ弱ほど体重が増えた状態で投げているだけに「いい感覚で投げられた時はこれまでよりも強いボールが投げられているが(去年と比べて)体のサイズが大きく変わったので、今の体に合った一番良いフォームを探している。それを見つけるために常に試行錯誤している」という。

 ただし、現在のつまずきは想定内でもあるようで「ピークというのは夏前くらいになると思う。チームが夏場の苦しい時に、良いパフォーマンスを出せる状態にしておきたい」とも話す。これも藤浪が1年トータルで考えているからだが、一進一退のチームにあって、悠長なことを言っていられないのも事実。いずれにせよ、この男が仕事をしないと、虎のV奪回など絵空事であるのは間違いない。