阪神は25日のヤクルト戦(神宮)に8―9と今季4度目のサヨナラ負け。再び勝率5割となった。打線は5試合連続2桁安打を放ったが、相変わらずのミス連発と勝負弱さが目立つばかり。そんな中、何事にも動じない姿勢だった金本知憲監督(48)の「心身ストレス」が球団内で心配されている。

 一体、何度貯金をなくせば気が済むのか。この日は2年目左腕・横山がヤクルト・バレンティンに2打席連続本塁打を浴びるなど3回6失点で降板。三塁手・ヘイグのトンネル失策や不用意な四球が失点に結びつくぶざまな内容で、主砲ゴメスと4試合連続8番の鳥谷が意地の一発を放ったものの9回に藤川が打たれてサヨナラ負けだ。

「バレンティンとかやられ方が同じ。インコースに投げきれずど真ん中…。もったいない。ぶつけてもいいくらいにいかないと」。若いバッテリーをやり玉に挙げた金本監督だったが、辛勝した前日24日の試合後も「毎日ヒヤヒヤ…。たまにはすんなりと勝ちたいよ。とにかくミスが多いわ。けん制といい、バントといい。ミスして負けなかったという感じや」とボヤキまくり。5月に入って快勝した試合が4日の中日戦(9―0)だけでは仕方ないが、とうとうチーム内からは「監督は相当ストレスがたまりまくっている。マスコミには見せないが、ふがいない選手への怒りは相当。まだ我慢している方だが、これから大丈夫か」など心配する声まで出始めている。

 その最大原因は慢性的な不振で連続試合フルイニング記録の「打ち止め論」まで出ているキャプテン・鳥谷。17日の中日戦(甲子園)で何でもないフライを落球し、指揮官は「野球にならん! 高校生に笑われる!」と試合後、名指しでこき下ろしたほどだったが、舞台裏でも鳥谷を呼んで直接、叱責しまくったという。ここまで何事にもあまり動じなかった指揮官の心境変化。この「一件」は当然、他ナインも知っているが、これも蓄積されてきた「心身ストレス」が一気に爆発したと見られている。

 また、金本監督と親しいOBの一人は「選手への不満は多い。例えばベンチでも若手同士の傷のなめあいというか、ミスが出ても励ましあったり、たいしたプレーでもないのに互いが祝福しあうとか、一体、何なんだと感じている。言いたいことは山ほどあると思う」と指揮官の心労を思いやったほどだ。

 野球に関しては「言いたいことは言う」と歯に衣着せぬタイプの金本監督。これまではミス連発でも「若いチームだから仕方ない」とある意味、自分に言い続けてきたが、もはや限界なのか。過度のストレスで鉄人が倒れなければいいが…。