ヤクルト・由規「1勝よりも…とにかく一軍で1球投げたい」

2016年05月14日 10時00分

二軍で汗を流す由規

【俺は一軍で待ってるぜ(3)】かつて日本人最速となる161キロを記録するなど、大きな注目を集めたヤクルト・由規投手(26)が懸命に一軍マウンドを目指している。最後の一軍マウンドは2011年9月3日の巨人戦(神宮)。13年4月に右肩腱板損傷のため手術を受けた後は一進一退の日々が続いており、今季から背番号は「11」から「121」に変更、育成契約となった。今、どんな思いで野球と向き合っているのか。

 

 ――現状は

 

 由規:この2年間、何度も離脱しながらずっとやってきて、なかなか一軍に上がれないのがずっと続いている。どこかで何かを変えなきゃなというところで、宮本二軍監督がリリーフを提案してくれました。ただ先発に対する思いもあり、一軍に上がった時に連投がきかなかったり、求められるものがすごく多くなっていくというか、僕の中でリリーフに対して不安要素のほうが今は多い。そこは先発だったら、間を空けられるというところで、先発、中継ぎどちらでパフォーマンスを出せるかと考え、今は間隔を空け、少しずつ投げるイニングを増やす形で、先発として調整させてもらっています。

 

 ――手術をした右肩の状態は

 

 由規:病院では特に問題があるとは言われてない。ただ、自分の感覚で去年なんかはちょっとしんどくなってきたなと思ってペースを落としたら、一気にガタガタと落ちてしまった。その辺の感覚は自分にしか分からないと思う。

 

 ――現時点の直球の速度は

 

 由規:148、9キロは出ています。ただ速度に対してはあまりこだわってない。それよりも球威だったり、空振りが取れる真っすぐだったり、球速以上にキレ、質のほうが大事かなというスタイルに変わりつつあります。

 

 ――目標とするモデルは

 

 由規:参考というか活躍している投手の方はフォーム自体に無駄がないというのを感じている。いらないものがどんどんはがれて、シンプルになっていく。マエケンさん(前田健太=ドジャース)もそう。マエケンさんからはメジャー挑戦時にメールをやりとりしたところ「抑え方は無限大にある」と言われたのが、すごく心に残っている。とても説得力があった。

 

 ――モデルチェンジは頭にある?

 

 由規:肩を壊したこともあって、無駄な球を少なくしたいという気持ちはある。理想は27球で終わることだけど、だからといっていろいろな変化球を投げられるわけではなく、コーナーを突く投球ができるわけでもない。そういう意味では、ガンガン真っすぐで押すというスタイルは変わらないと思う。

 

 ――その中で考えていることは

 

 由規:打者が差し込まれたり、見えない球威、緩急だったりというのは、フォームの見え方、力を入れるタイミングで生まれてくると思うので、そこは意識しています。いい時は力感なく気持ち良く投げられている。コーチからも大事なのはきれいなフォームで投げることと言われている。フォームのタイミングが一つずれれば、力まざるを得ない。練習でも短い距離のキャッチボールやフィールディングからフォームを意識して投げることで、ブルペンにも生きてきている。

 

 ――今季から育成契約となった

 

 由規:僕は今年で5年一軍で投げてなく、残してもらったことに対する感謝の気持ちが強い。球団からはちゃんと投げられるようになれば、また支配下に戻す、「11」も空けておくと言われました。本当にありがたいし、モチベーションになってます。今は一軍で何勝というよりもとにかく1球を投げたい。そこから次の目標も見えてくると思うので。

 

 ☆よしのり=本名は佐藤由規。1989年12月5日生まれ。右投げ左打ち。宮城県出身。仙台育英高。2007年の高校生ドラフトでは中田翔(大阪桐蔭→日本ハム)、唐川侑己(成田→ロッテ)らと「ビッグ3」と称され、注目を集めた。5球団から1巡目指名を受け、ヤクルトに入団。10年8月26日の横浜(現DeNA)戦で当時の日本人最速となる161キロを記録。13年4月に右肩腱板損傷のため、クリーニング手術を受けた。プロ9年目、今季から育成契約。