【本紙評論家がセ新人監督を採点(4)宇野勝氏】専任監督1年目の中日・谷繁元信監督(45)は先発で小熊を使ったりと思い切って若手を起用していると思う。打線もビシエドが中軸でしっかりしているので良い循環になっている。特にナニータをスタメンで使い続けたことで打線の好調につなげた。

 ただ開幕から遠藤を3番・ショートで起用したことは疑問。彼は打力には素晴らしいものがあるがスローイングに難がある。ショートはまず無理だろうと見ていた。案の定、守備でのミスが重なって早々に二軍調整。彼の打力を生かせなかったのはもったいない。

 あと、注文をつけるとすればもっと選手を信用してほしいということ。4月23日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)で抑えの福谷をまだリードしている場面で四球を1つ出しただけで交代させてしまった。あれを選手がどう思うか。抑え投手と決めたからには最後まで投げさせるべきだった。シーズンは長丁場だから調子が悪いときもあるし、打たれるときもある。そのたびに代えていたのでは選手がいなくなってしまう。(本紙評論家)

※採点は5段階評価で、伊原氏のほかに本紙評論家の伊勢孝夫氏、遠藤一彦氏、宇野勝氏が担当。選手交代、作戦面などの「決断力」、チームをまとめる「統率力」、選手、コーチへの指導を含めた「育成力」、ファンやマスコミへの「発信力」の4部門それぞれと「総合評価」をつけた。