ヤクルトのドラフト1位ルーキー・原樹理投手(22)が1日の巨人戦(神宮)で6回2失点と粘り、6試合目の登板でようやくプロ初勝利を挙げた。打ってもプロ初安打&初打点をマークしてチームを今季最長の4連勝に導いた右腕は、初のお立ち台で「1勝するまでに時間がかかりましたが、神宮で勝ててうれしい」と喜びを爆発させた。

 初回に2四球が絡んで2点を先制され、3回にはギャレット、長野の連打で二死一、二塁、4回にも無死一塁からの四球で得点圏に走者を背負ったが、いずれのピンチも土俵際で粘った。

 勝てずに苦しい思いをしてきたが、先輩たちが優しくフォローしてくれた。プロ入り直後から師匠と仰ぐエースの小川からは変化球の握りやフォームといった技術的な部分だけでなく、プロとしての心構えなどの精神面のアドバイスも伝授され「今が耐え時だから」と事あるごとに声を掛けてもらった。石川にも「ケガさえしなければ野球ができるから」と励まされたという。原樹も先輩たちには感謝しきりで「正直、勝てない時はへこんでいたんですけど、小川さんや石川さんに声を掛けてもらって気持ちが楽になりました」と話す。登板時に「いつも打ってくれている」という山田も2本塁打で3点をプレゼントしてくれた。

 愛されキャラのルーキーのプロ初勝利で、ヤクルトは今季初の同一カード3連勝。最大で5つあった借金を1まで減らした燕が、ようやく上昇気流をつかんだ。