大型連休で大型連敗をしそうな雲行きだ。巨人は1日のヤクルト戦(神宮)に2—11で逆転負けし、今季初の3連敗で首位から陥落した。ブレーキをかけたのは中4日で先発した高木勇人投手だ。相手先発の原樹理投手(22)に同点打、山田には2発を浴びるなどプロ入りワーストの5回6失点KO。由伸巨人に暗雲が垂れこめてきた。

 またもや同じような光景が繰り広げられた。味方打線からは、初回に亀井の先制打で2点のリードをもらった。先発の高木も直後のマウンドでは山田から空振り三振を奪うなど三者凡退で順調に滑り出したかに見えた。

 ところが2回に暗転した。2安打と四球で一死満塁のピンチを招き、中村の中犠飛で1点差。なおも二死一、三塁で、相手先発のルーキー・原樹に外角高めへ投じた得意のカットボールをフルスイングされ、左中間を破られた。これが走者一掃の2点二塁打となり、2—3と試合をひっくり返された。

 高木が味方の援護点を帳消しにしたのは今季4度目。しかも投手に安打を許したのは4月8日の中日・大野、同14日のヤクルト・小川、同26日の阪神・藤浪に続いて4度目で、いずれも失点につながっている。

 さらに高木は5回に振り逃げの原樹を一塁に置いて山田に2打席連続本塁打を被弾。バットでも4回無死一、二塁のチャンスでスリーバントに失敗し、いいところなく自己ワーストの6失点でマウンドを降りた。

 追い打ちをかけるように、中継ぎ陣もアクシデントに見舞われた。高木の後を受けた戸根はライナーを避ける際に体をひねったと見られ、緊急降板した。4番手の公文もバレンティンにバックスクリーンへ特大3ランを浴びるなど、終わってみれば今季ワーストの11失点だ。高木も「この試合を任せてもらったのに監督、コーチ、ファンの期待を裏切ってしまった」と肩を落とした。

 開幕から日曜日は5戦全勝を誇ったが、その不敗神話も崩れた。相性の悪い神宮ではこれで今季1勝5敗だ。3連敗以上は初めてで、4月16日から守ってきた首位の座も広島に明け渡した。

 普段は冷静沈着な由伸監督だが、試合後にプロ初の中4日登板でKOされた高木について報道陣に問われると「それができないことには先発とは言えない」と厳しい口調で言った。頼みの投手陣が崩壊状態で、立て直す手段はあるのか…。