中日が29日の広島戦(マツダ)に4―9で敗れた。

 先発の若松駿太(21)が突如、崩れた。3回までは無失点投球だったが、4回に3連続四球を含む1イニング4四球を出して2失点。続く5回にも4失点で途中降板となった。

「2回り目から四球を連発して、自分の中で冷静さを欠いてしまいました。1人でやっていました。最初の1回りでの投球を1試合続けてやっていけるようにしたいです」とがっくりだ。

 前回登板の22日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)で3勝目を挙げたが、その時も5回1/3を投げて7安打6四球と内容は散々で、打線の大量援護に助けられた格好だった。そのため、この1週間は勝った投手とは思えない調整を行っていた。

 先発投手は登板2日後が原則休日となる。しかし24日、若松の姿はナゴヤドームにあった。休日を召し上げられたのだ。

 さらに命じられたのがナゴヤドームの三塁側観客席を使った階段でのダッシュ。ただでさえきついトレーニングだが、なぜか途中からお客さんがぞろぞろと入ってきた。

 実はこの日、打撃練習見学が開催。開門が通常より1時間も早くなっていた。ファンをよけながら、ときには握手を求められ、荒い息を吐きながらそれに応じる。

 さらに「何でこんなところで…」とファンの奇異な目にさらされながらの階段ダッシュ。それでも回数をこなすまでは許されない羞恥プレーを課せられたわけだ。

 それだけに、この日は何としても勝ちたかったことだろう。ただ救いは谷繁監督の若松評。「修正はしてきている。だから立ち上がりは良かった」。さて次回の登板はどうなるか。