<巨人5-3阪神(26日)>阪神のこの日の逆転負けの「戦犯」は先発の藤浪晋太郎(22)だった。序盤こそ好調を維持し、巨人打線を5回まで1安打に封じたが、2点リードの6回に突如、崩れた。先頭の長野から3連打でリズムがおかしくなり、クルーズ、亀井に連続適時打を浴びるなど一気に4点を献上。結局、7回4失点で今季初黒星を喫し、チームを再び4位に転落させてしまった。

 試合後、藤浪は「調子は悪くなかった。球自体も良かったし…。6回? 何かがズレたということでもない。投げミスで出した流れを止められなかったことに尽きる」など反省の弁を口にしたが、前回19日のヤクルト戦(甲子園)でも5回4失点で降板。V奪回のキーマンがこれでは…といった感じだが、肝心の不振の原因がチーム内の誰もが分からないというから厄介だ。

 金本監督は「何なのか…。球数も少ないし、今日こそ完投かな、と思っていたんだけど。突如崩れた理由? わからん。本人に聞いてくれ。悪いようには見えなかったけど。狙い球を絞られた? それもわからん」とすっかりお手上げ状態。藤浪と親しいある選手は「僕らもどうしてなのかはわからない。晋太郎の求めるレベルが高い。高いゆえにうまくいかないとすべてが狂ってしまうことがあると思う。天才ならではのことかもしれないけど…」と首をかしげるばかりだ。

 藤浪の原因不明の「病」。この日、テレビ解説を行った前監督で藤浪を熟知する和田シニアアドバイザーも「本来の状態ではないのは確か。去年は試合で修正するタイプだったが、今年はそれができてない。150キロの球は投げれるが、力を入れた時のフォームが安定していない」と心配そうに話した。乱調続きのエースの今後が気がかりだ。