広島・新井貴浩内野手(39)が24日の阪神戦(マツダ)で2安打を放ち、通算2000安打まで残り1本と迫った。早ければ26日のヤクルト戦(神宮)で偉業達成となるベテランは「今日ここでの達成を期待してくれたファンには申し訳ないけど、あさって(26日)も、しっかりと準備をしてやっていきたい」と普段と変わらない様子だったが、実際には何としてもこの日に決めたい思いもあった。

 試合前の時点で大台まで残り3本。生まれ育った広島で、かつて在籍した阪神戦で、公私ともに世話になった阪神・金本監督の前で雄姿を見せるためには、この日が“ラストチャンス”だったからだ。

 別の理由もあった。なんと23日の練習中に、新井は金本監督から仰天プランを明かされていたという。「『もし、今回のカードで2000本を打ったら、花束贈呈はドリスとマテオにさせる』って言うんです。すごくないっすか? そもそも僕は彼らとプレーしたこともないのに…」(新井)

 おそらく金本監督一流のジョークなのだろう。それは新井も十分に分かっている。しかし、もしかしたら…。そんな好奇心も2000安打へのモチベーションとなっていたようだ。

 新井は4回一死一塁の第2打席で阪神先発・能見の直球を一、二塁間へはじき返し、9回二死二塁の第4打席では左前に適時打を放ってリーチをかけた。もし、7回の第3打席での左中間へのライナーが高山に好捕されていなかったら、本当に金本監督は3万1855人の大観衆の前で仰天プランを実行に移していたのか…。2安打止まりとなったことで“究極の新井いじり”はお蔵入りとなってしまった。