阪神は19日のヤクルト戦(甲子園)に8―4で勝ち、連敗を「3」でストップさせた。力投する中継ぎ陣と野手陣の奮起で白星をものにしたが、ふがいなかったのは5四死球を与えるなど今季最短の5回4失点で降板した藤浪晋太郎投手(22)。あまりの“醜態”ぶりにネット裏では、伝説の虎OB・江夏豊氏(67=評論家)が怒りの猛ゲキ&ダメ出しを食らわせた。

 この日の藤浪は最悪だった。初回に西岡の適時打で2点の援護をもらったが、直後の2回に3連打を浴びて1点を返されると、二死満塁で坂口に押し出し四球を与えて同点。その後もノーコンぶりを修正できず3、4回も四球で出塁させた先頭打者を失点に直結させるなどボロボロ。5回でマウンドから姿を消した。

 納得がいかない藤浪は試合後「指にかかったボールは今年一番だった。ブルペンでいいと思っていたところに落とし穴があった。点の取られ方がよくなかった。恥ずかしいピッチングだった」と猛省しきりだった。

「今日は中継ぎ陣の勝利」と明言した金本監督は、連敗ストップを果たしたことで「(藤浪は)ストライクが入らず四苦八苦していた。本人も焦っただろう。次回修正してくれれば問題ない」と不問に付したが、そんな右腕に我慢ならなかったのが、テレビ中継の解説で訪れた江夏氏だ。

 チームの勝利を喜びながらも「(藤浪の)投球はひどいものだった。あそこまで(フォームが)狂ったら普通、ゲームに出られない。昔はあんなピッチングしていたらバックの先輩からボロクソ言われていた」とバッサリ。

 特にマウンドで最後まで修正できず荒れ放題だった状況に腹が立ったようで「本人は聞く耳を持たないだろうが、自分で(降板を申し出ることを)考えないといけない」と、エースとしてぶざまな姿をさらさないため“志願降板”をすすめるほど。

 さらに「投げりゃいいってものでもない。一年間トータルを考えてやっていかないといけない」と、故障明けの右肩の状態を考えず、むやみに長い回を投げようとする藤浪の姿勢や、それを容認する首脳陣にも疑問を呈した。まさにダメ出しの連続だ。

 もちろん、これは「江夏流」の猛ゲキで、期待が高いからこそ。藤浪にとっては耳の痛い話だろうが、伝説のOBを見返す姿を早く見たい。