巨人は12日のヤクルト戦(神宮)に2―6で敗れ、阪神、広島に同率首位で並ばれた。先発の2年目助っ人左腕、アーロン・ポレダ(29)が走者を背負って制球を乱す悪癖を再び露呈。4回6安打4四球の4失点(自責点2)でKOされた。2試合連続の自滅投球に、さわやかな高橋由伸監督(41)も堪忍袋の緒が切れるのでは、とチーム内に不穏な空気が漂っている。

 助っ人左腕がまたもや醜態をさらした。2回はバッテリーを組んだ小林誠の強肩に助けられて2度の盗塁を阻止したが、3回につかまった。

 7番谷内からの下位打線に連続四球を与えて比屋根に先制打を浴び、川端、山田の連打で2点目を失った。なおも一死満塁で迎えたバレンティンとの2度目の対決では守備でミスを犯した。投前へのゴロを捕球後、小林誠に至近距離からまさかの剛速球。ボールが小林誠のミットからこぼれ落ちる間に生還された(記録は小林誠の失策)。

 さらに4回も先頭谷内への四球などで一死二、三塁のピンチを招くと、比屋根に高めへ暴投ぎみの直球を投じて失点(記録は小林誠の捕逸)。試合の序盤で敗戦を決定づけて降板となった。

 ポレダは「今日の負けは自分の責任。フラストレーションのたまる試合だった」と反省。試合後の由伸監督は、下位打線に四球を与えて崩れる展開に「もったいない。どうにかできるところだと思うけど…」としながら、4回の“暴投”については「あれは捕れないんじゃないですか」と小林誠をかばった。村田ヘッドコーチも「(ポレダの)独り相撲だと思うよ。自滅ちゃうか」とバッサリだった。

 チームにとっては、この日が今季の神宮初戦。昨シーズンは3勝8敗と苦戦しただけにポレダへの期待も大きかった。首脳陣は「ランナーを出しても焦らず、冷静に自分のペースを保ちなさい」とアドバイスを送ったが、実戦では反映されなかった。そんな状況下での背信投球に「最初に監督を本気で怒らせるのはポレダじゃないか?」との声が出ている。

 実は前回登板した4月5日の阪神戦(東京ドーム)で、由伸監督をブチギレ寸前に追い込んでいたという。重盗を決められ、満塁からボークで失点する凡ミスを犯すなど来日ワーストの6回8失点。指揮官に近いスタッフは「監督は凡退したりすることに怒ることはないが、あのボークはいただけなかった。しかもベンチからボークに気をつけろよ、というサインが出ていた直後だったそうだし、監督はああいうボーンヘッドが一番頭にくるようだ」と明かした。

 静かに怒りをグッと押し殺す指揮官に、ベンチに緊張が走ったのは言うまでもない。この日も試合中の由伸監督は腕を組みながら時折、表情をこわばらせていた。今の先発陣を見渡せばポレダが貴重な戦力なのは確かだが、次回登板までに課題を改善して結果を残さなければ、怒り爆発の由伸監督がローテから外す可能性も否定できない。

“仏の顔も三度まで”となってしまうのか。